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初めまして。バスケットボールのコーチをしているものです。 私はストレッチを行う事で、疲労回復やケアだけでなく、柔軟...

Question

初めまして。バスケットボールのコーチをしているものです。

私はストレッチを行う事で、疲労回復やケアだけでなく、柔軟性や可動域が上がる事によりバスケのパフォーマンスも上がると考えています。

その中で気になる事を聞いたのですが、
NBA選手のデリックローズ選手。
彼は膝の怪我をするまで、ストレッチをほとんどしていなかったと聞きました。

彼は、ストレッチをしなくてもあれだけのパフォーマンスをしていたのを見て、
①ストレッチをしなくても柔軟性のある筋肉を先天的に持っていた。
②特別ストレッチをしなくても、バスケの練習やトレーニングで柔軟性を手に入れていた。
③トップレベルになると柔軟性が無くてもあれだけのパフォーマンスが出せる人もいる。

のどれなのか気になりました。
私の勝手なイメージで は、体にバネがあるような、瞬発力のある人は柔軟性もあると思っていたので、彼ほどの選手がストレッチをしていないと聞いて驚きました。

専門家の人から見てデリックローズ選手や、ストレッチをしていなくても瞬発力がある選手はなぜ動けるのかお聞かせください。

Answer
ダイス・ヤマグチ

ダイス・ヤマグチ

アスレティックトレーナー

こんにちは。質問ありがとうございます。
東京医科歯科大学のダイス・ヤマグチです。
ストレッチをしなくても瞬発力がある選手がなぜ存在するのか、という事ですね。

質問者様の言う、柔軟性や関節可動域が上がる事で疲労回復、ケアだけでなくバスケの”パフォーマンス”が上がる、という考えは間違っていないと思います。ただし、”どのパフォーマンス”が上がるか、と言うところにも着目しなくてはいけません。

まず下の写真を見てください。
人が動くためにはニュートン力学の第三法則にある”作用・反作用の法則”が大きく関わってきます。つまり、どれだけ強く地面を蹴り(作用)、地面からの反発力(反作用)をどれだけうまく動きに”伝える”ことができるかと言うことが大切です。

そのためにも、
• どれだけ大きな地面反力を作り出せるか(地面反力)
• 作り出した地面反力をいかに効率よく身体で受け止めれるか(構造強度)
• 受け止めた力を正しい方向に持っていけるか(適切なベクトル)

と言う3つの概念が必要になってきます。

瞬発力がある選手というのは地面反力を作りだす能力、そして身体の構造強度がしっかりしている選手です(詳細に関しては参考文献にある”ムーブメントスキルを高める”をお読みください)。それを適切なベクトルの方向に持っていけるかどうか、というのが柔軟性と大きく関わってくる部分となります。

NBAで高い瞬発力を持つ選手の中でも柔軟性、特に股関節の柔軟性を持つ選手はディフェンスも得意であまり大きな膝の怪我などを患わず、長い選手生命を保てている印象です(マイケル・ジョーダン、コービーブライアントなど)。その反面高い瞬発力を持っていても股関節に柔軟性を欠く選手はディフェンスにあまり定評がなく、膝の怪我をしがちな印象がありました(ペニー・ハーダウェイ、トレイシー・マクグレディーなど)。

ディフェンス、と一言に言っても様々なシチュエーションがありますが、ディフェンスにおいて大きく関与する動きが横方向への動きだと思います。つまり、股関節の横方向(内・外転、内・外旋)の柔軟性を欠く選手ほどディフェンスや横方向への動きが苦手になり、また地面からの反力を身体の重心の方向ではなく膝に近い方向に持っていきがちになるため膝関節にかかる負担が増えます(下左写真Aでは床反力を重心に繋げられるため体重移動が効率よく行える。下右写真Bでは床反力が膝を通り、膝への負担が増えるだけでなく重心から外れた力により上体に回転力がかかり、その分体重移動が非効率になる)。

つまり、バネのある選手でも股関節の柔軟性に欠ける選手の場合垂直ジャンプや前方へのドライブでのパフォーマンスは高くてもディフェンスなどの回転や横方向への力が必要となる動きでのパフォーマンスはそこまで高くない場合があるということです。

これらを考えると、デリック・ローズが怪我をした後に柔軟性の大切さを考慮に入れるようになったというのは納得のいくことかなと思います。

いかがでしょうか。
今回の説明でわかりにくいこと、もしくは他知りたいことなどありましたらまたご連絡ください。

参考文献
• 朝倉全紀, 勝原竜太. ムーブメントスキルを高める. (2016)
• Shimokochi, Y, Ide, D, Kokubu, M, and Nakaoji, T. Relationships among performance of lateral cutting maneuver from lateral sliding and hip extension and abduction motions, ground reaction force, and body center of mass height. J Strength Cond Res 27(7): 1851–1860, 2013

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