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【再発を予防する】ハムストリングの肉離れのリハビリの注意点

こんにちは。東京都内でトレーナーとして活動しています、佐々部孝紀です。

一度受傷してしまうと数週間の練習や試合から離脱することになってしまう「ハムストリング(ももの裏)の肉離れ」

プロ野球の大谷選手が受傷したことでも一時期話題になりましたよね。

多くの選手が悩まされるハムストリングの肉離れですが、実はこのケガから復帰するには「治療(物理療法、徒手療法、鍼治療など)」だけでなく、「身体にしっかりと負荷をかけること」が重要になってきます。

そこで、今回はそのハムストリングの肉離れを受傷してから復帰までの注意点をご紹介します。

※前提として必ず医師の指示を聞くこと。可能であればリハビリの専門家(理学療法士やアスレチックトレーナー)の指導下でリハビリはおこなってください。

ハムストリングの肉離れのリハビリ方法

まずは一般的なリハビリの流れをご紹介します。(Clanton and Coupe, 1998)

受傷直後~数日(急性期)

ハムストリングの肉離れは、スプリント動作(全力疾走)で多発します。

もしも走っているときに太ももの裏に急に痛みが走り、歩行やランニング動作に支障がでた際には、すぐにRICE処置【Rest(安静)・Ice(アイス)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)】をおこない、医療機関(整形外科)にて診察を受けてください。

そしてハムストリングの肉離れと診断されたら数日間はアイシングをおこない、患部に負荷のかかる運動はおこなわずに、痛みの出ない範囲でのストレッチ程度にとどめてください。

亜急性期・リモデリング期(受傷後数~数週間)

引き続きストレッチをおこない、左右のハムストリングの柔軟性(膝の可動域)の左右差をなくします。


膝の可動域のテスト(Gajdosik and Lusin, 1983)

可動域の改善と平行して、ハムストリングに徐々に負荷をかけていきます。再受傷をしないように必ず弱い負荷から徐々にかけていきましょう。

  • レッグカール
  • ルーマニアンデッドリフト

など

機能期・競技復帰期

徐々にジョギングなどの動作をおこない、全身運動の負荷を高めていきます。

スポーツ動作も徐々におこなっていきますが、受傷の恐れの高いスプリントは注意しておこないましょう。

復帰後もリハビリは継続します。

だいぶ簡潔的な説明になりましたが、以上が一般的なリハビリの流れになります。

ハムストリングの肉離れから復帰するまでの注意点

ここで注意しなければならないのが、ハムストリングの肉離れの再発率の高さです。

ハムストリングの肉離れから復帰した選手の約30%が再発をしており、そのうちの3分の2は復帰後2週間以内の再受傷であるという報告もされています(Orchard and Thomas, 2002)

この再発の原因のひとつには、リハビリ期間中に身体にかかっていた負荷と、復帰後に身体にかかった負荷とのギャップの大きさが考えられます。

これを避けるにはリハビリ時に大きな負荷をかければいいのではないか?と考えるかもしれません。

しかし、その週に身体にかかる負荷が、手前数週間の負荷に比べて2.1倍を上回るとケガが急激に増加するというデータ(Hulin et al, 2015)もあるので、復帰を焦ってリハビリ中に急に負荷をあげてしまうと、そのことが原因で肉離れを再受傷してしまう可能性もあります。

つまり、リハビリ中も徐々に負荷を高めていき、せめて練習の負荷の7割程度の負荷(強度×量)に身体を慣らしてからチーム練習に合流するのが良いでしょう。


アスリートのためのトレーニング科学 より

簡単な注意点のみご紹介させていただきましたが、同じケガであっても人によって原因が異なる場合も多くあります。

冒頭でも述べた通り、怪我をしてしまった場合はリハビリの専門家(PT:理学療法士、AT:アスレティックトレーナー)に直接評価・指導を仰ぐことをおすすめします。

もちろん、並行して治療家の方に患部の治療をしてもらうことでより復帰を早めることもできるでしょう。


アスリートのためのトレーニング科学 より

「状況によってどの専門家に頼るのかを自分で判断できる」というのはアスリートには必須の能力です。

ぜひこれを期に、各専門家の役割を覚えてみてくださいね。

関連リンク

肉離れリハビリについてもっと詳しく知りたい方はこちら↓
【第50回】肉離れのリハビリ~キーポイントは「負荷をかけること」

肉離れの原因・予防法についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓
【第48回】ハムの肉離れをトレーニングで防ぐ!

参考文献

Hamstr ing Str ains in Athletes:Diagnosis and Tr eatment
Thomas O. Clanton, MD, and Kevin J. Coupe, MD
Journal of the Amer ican Academy of or thopaedic SurgeonsVol 6, No 4, July/August 1998

Hamstring Muscle Tightness Reliability of an Active-Knee-Extension Test
RICHARD GAJDOSIK and GARY LUSIN
PHYSICAL THERAPY, Volume 63 / Number 7, July 1983

The Management of Muscle Strain Injuries: An Early Return Versus the Risk of Recurrence
Orchard, John MBBS, PhD; Best, Thomas M. MD, PhD
Clinical Journal of Sport Medicine: January 2002 – Volume 12 – Issue 1 – pp 3-5

The acute: Chronic workload ratio predicts injury: High chronic workload may decrease injury risk in elite rugby league players
Billy T Hulin, Tim J Gabbett, Daniel W Lawson, Peter Caputi, John A Sampson
Br J Sports Med 2015