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【メンタルトレーニング講座Vol.13】心を”試合モード”にする「心理的コンディショニング」

メンタルトレーニングの講座では、緊張した時に落ち着いたり、試合中に集中を切り替えたりする方法など、普段の練習から取り組むことができるトレーニングについて紹介してきました。

今回はメンタルトレーニングとは少し違った、試合前の「心理的コンディショニング」についてお話しします。

▼前回のおさらい
【メンタルトレーニング講座Vol.12】重さや感触まで。イメージトレーニングで自身をコントロールする力をつける

「トレーニング」と「コンディショニング」、何が違う?

「トレーニング」と「コンディショニング」の違いは、日本語訳すると非常にわかりやすくなります。トレーニングは「訓練」コンディショニングは「調整・調節」です。

技術や体力の向上のために、長期的にやり続けるのがトレーニングです。具体的には、野球のノックや筋トレなどを指します。

一方、試合の日に最高のパフォーマンスを発揮するために、試合までの比較的短期間でするのがコンディショニングです。試合前日は軽めの調整だけにとどめて、身体の疲労を抜くといった方法が一般的ですね。

心理的コンディショニングとは、そのうち心の調整に関することです。

何を、どこに向かって調整するの?

最高のパフォーマンスをするための身体の状態、というのはすぐにわかりますね。どこにも故障がなく、疲労がまったくない状態のことです。

それでは、最高のパフォーマンスをするための心の状態とはどのようなものでしょうか?
それがわからないと、そもそも調整のしようがありませんよね。まずは、その状態を知るところから始めましょう。

その方法が以前ご紹介したピークパフォーマンス分析です。詳しくはこちらにありますので、ここでは簡単に説明します。

要は、自分の最高のプレーができたときのことを思い出して、そのときの心の状態を明確にしておくことです。

「わくわくした感じ」とか「とても落ち着いている静かな感じ」とか、一言で表せるようになっておくとベストです。

自分の気分や感情を言葉にするのがあまり得意でない人は、自分の気分や感情がどのような状態であるかを調べる心理検査(POMS=Profile of Mood Statesなど)もありますので、そういったものを利用するといいでしょう。

プロは試合前からルーティンで集中を高める

プロスポーツ選手の中には、試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、試合前から試合開始までの自分の行動をある程度決めておいて、その通りに行動している人が多くみられます。

有名なのは大リーグ、・マーリンズでプレーするイチロー選手ですね。「試合がある日の朝は、必ず奥さんの作ったカレーを食べる」というものです。

イチロー選手はこれ以外にも、試合会場に入る時間や、試合開始までの過ごし方を決めて、その通りに行動しています。

つまり、試合前から試合開始までの過ごし方をルーティン化しているのです。

ルーティンといえば、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手がキック前に取る独特のポーズが話題になりましたね。最近では、日本人力士として10年ぶりに優勝を果たした琴奨菊関が、取組前に大きく胸をそらすポーズがニュースになりました。

あれは「プレパフォーマンス・ルーティン」といって、プレー直前にするルーティンです。ああいった行動を、試合前からやっているということです。

このようにプロ選手が試合前に一定の行動を取る理由は、試合前に余計なことを考えたくないから。

一定の決められた行動をなぞることで、余計なことに気を取られずに試合に集中していくことができます。このように、試合前の行動をルーティン化するのが、心理的コンディショニングを成功させる秘訣と言ってもいいでしょう。

次回は、試合前のルーティンを組み立てるために手助けになること、ルーティンの中に入れておいてほしいメンタルスキル、当日にルーティンが邪魔されないようにやっておきたいことなどをご紹介します。お楽しみに。

<参考文献>
教養としてのスポーツ心理学(大修館書店、2005年、徳永幹雄 編)
スポーツメンタルトレーニング教本(大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編)