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スポーツに必要な2種類の「集中力」と、効果的な練習方法【メンタルトレーニングNo.9】

こんにちは、スポーツメンタルトレーニング指導士の河津です。

前回までの記事では、緊張を克服する方法を解説しましたが、今回は「集中力」について詳しくお伝えしていきます。

▼前回のおさらい

集中力は「切り替える力」「キープする力」の2種類

集中力にはふたつの要素があります。ひとつは「集中を切り替える力」、もうひとつは「集中をキープする力」です。

  • 「切り替える力」が弱い:他のことに気を取られてしまって、練習や試合に意識が向かない
  • 「キープする力」が弱い:練習や試合に意識は向くのに、すぐに頭が疲れてボーっとしてしまう

集中力に課題を感じている方は、自分がどちらにあてはまると思いますか?


あなたに必要な集中力は?

そもそも、前提として、集中するためにはまずリラックスしなければなりません。

リラックスできていない「あがっている」場合は、自分が何に集中すべきなのかもわからなくなっている状況なので、「切り替える」とか「持続する」以前の問題です。前もってリラックスするためのトレーニングを身につけておくことが重要です。

競技やポジションによって「何に集中すべきか」は変わる

みなさんが取り組んでいるスポーツや、自分のポジションなどによって、「何に集中を向ければいいのか」は変わってきます。

「広く外的な集中」が必要なケース

たとえば、サッカーのボランチやバスケットボールのガードの選手がパスを出そうとするとき、相手や味方選手の位置を広く認識する必要があります。

これは自分の外側のもの複数(3つ以上)に意識を向けることから「広く外的な集中」と言われます。


広い視野での正確な判断力が求められるポジションでは、広く外的な集中が必要

「狭く内的な集中」が必要なケース

バスケットボールのフリースローの場面で、ボールのリリース時に自分の手首のスナップのみに意識を向けるようなとき(もちろんこれは選手によります)は、自分の内側のもの1つか2つ、という狭い範囲に意識を向けることから「狭く内的な集中」と言われます。


フリースロー、フリーキックなどひとつの動作に集中するときは内的な集中が必要

まとめると「集中」は意識を向ける対象によって次のように分類されるということになります。
○自分の外側か内側か=「外的集中/内的集中」
○狭い・少ないのか、広い・多いのか=「狭い集中/広い集中」

自分のプレーがうまくいっているとき、どこにどんな意識が向いているのか、自分の競技やポジションにとってどんな種類の集中が必要なのかを知っておくことも、集中力をトレーニングするにあたって大切なことです。

これから集中力をトレーニングしていきたいという人は、
(1)「今」「この瞬間」に
(2)何に対して
(3)どんな注意を持っていればいいのか
を明確にしておきましょう。

次は、実際に集中力を鍛えるトレーニング方法を紹介します。

「切り替える力」を高めるキューワード法

これは、なにかひとつ切り替えのきっかけになるワードを自分で決めておいて、練習や試合で集中が切れてきたときに、そのワードを唱える方法です。

頭の中でだけ唱えてもいいし、実際に口に出してもいいと思います。集中を高めるきっかけとなる非常にポピュラーな技法です。

「キューワード」は「キーワード」の誤植ではなく、英語表記すると「Cue Word」です。Cueは手がかりとかきっかけという意味なので、キューワードというのはこの場合「集中を高めるための手がかりになる言葉」ということになります。

ワードは自分の好きなように自由に決めていいのですが、ひとこと程度の短いもの(たとえば「集中!」「切り替え!」など)にしましょう。


自身で決めた言葉をきっかけに、気持ちを切り替える

唱える言葉が決まったら、普段の練習からどんどん使っていきましょう。実際に集中が戻るのかどうか、使用したらその効果を振り返ることも忘れずに。
練習などで効果が出てきたら、試合でも使えるようになる。ここぞというときにぜひ使ってみてくほしいと思います。

「キープする力」を高める凝視法

何かひとつ目標物を決めて、それをひたすら見続けるというトレーニングです。
目標物は何でもいいのですが、紙に書いた「●」印やボールペンなどのペン先、ろうそくの火(室内で行う場合は十分に注意してください)など、一点に集中できるような小さいものがベストです。

見続ける時間は30秒くらいから始めて、1分、2分と徐々に伸ばしていきましょう。

目標を見るときは、余計なことを考えず「ただ見る」ことが大事です。「集中しよう、集中しなくちゃ!」とむりやり考える必要はありません。
というのも、集中というのはリラックスした状態から入るものだからです。


目標物に集中して、何も考えずそれを見続けるトレーニングをする

好きなマンガを読んでいて、気が付いたら2~3時間たっていて驚いた、ということはよく経験があると思います。

そのときには「集中してこのマンガを読もう!」という無駄な力みは一切なく、とても楽しくリラックスした気持ちのはずです。まずはリラックスして、ただただ自分が今やることに意識を向けるだけで大丈夫です。

このトレーニングは、空いた時間であればいつやっても構いません。練習前の数分を使ってみるのもいいですね。

集中力も鍛えられる

いかがでしたか?

ここで紹介したトレーニングの他にも、いろいろなトレーニング法があります。自分に合ったものを見つけることが重要なので、ぜひいろいろ試してほしいと思います。

▼続きはこちら

<参考文献>
実力発揮のメンタルトレーニング(大修館書店、2009年、ロビン S. ビーリー 著、徳永幹雄 監訳)

スポーツメンタルトレーニング教本(大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編)