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本当に役立つアジリティトレーニング【第5回:筋力とパワーをアジリティにつなげる】

こんにちは。東京都内でトレーナーとして活動しています、佐々部孝紀です。

前回の記事は「第4回:アジリティを高める最初のステップ」という内容で、ウエイトトレーニングの重要性をお伝えしました。

▼前回の記事

  • アジリティを高めるためにベースにあるのは筋力やパワー
  • まずはウエイトトレーニングでそれらの能力を向上させること


↑各体力要素の向上のイメージ図・《アスリートのためのトレーニング科学》より引用

今回からは、実際にアジリティの高め方を説明していきます。

アジリティを高めるために

当たり前のことですが、ウエイトトレーニングをおこなっただけではアジリティは向上しません。

筋力・パワーというのは上の図にあるように、あくまでもベースだからです。

しかし、以下の研究ではウエイトトレーニングをおこなうことで、アジリティが向上したことが報告されています。

LONG-TERM STRENGTH TRAINING EFFECTS ON CHANGE-OF-DIRECTION SPRINT ### PERFORMANCE MICHAEL KEINER et al, 2013

研究デザイン(研究内容)

被験者:エリートユースサッカー選手112名
U15,U17,U19世代でそれぞれを
ウエイトトレーニングを行う群
ウエイトトレーニングを行わない群
に分け、2年間継続。(サッカーの練習は同様に行う)

研究結果

U15,U17,U19、すべての世代において、ウエイトトレーニングを行ったグループのほうが有意な筋力の向上、有意なアジリティの向上が見られた

アジリティの測定に用いられたテスト(文献より)
・右への方向転換(L1~L2)
・左への方向転換(L3~L2)
・右への方向転換×2(L1~L3)
・左への方向転換×2(L3~L1)
の4種類

さきほどは「ウエイトトレーニングをおこなっただけではアジリティは向上しない」と述べました。

しかしこの研究では、ウエイトトレーニングをおこなった選手は、特別にアジリティトレーニングはおこなっていません。これはいったいどういうことなのでしょうか?

競技自体もアジリティのトレーニングに

この結果は、「サッカー自体がアジリティのトレーニングになった」ため引き起こされたものだと考えられます。

この研究で用いられているテストは、「スプリント(全力疾走)からの60°の方向転換」です。

第3回の記事でも紹介した通り、サッカーの試合中はスプリントからの方向転換が多く使われると考えられます。

そのためサッカー自体が、スプリントからの方向転換のトレーニングになり、このテストで測定できるアジリティが向上したと考えられます。

そしてウエイトトレーニングをおこなっていた選手、つまり筋力やパワーが高い選手は、そのベースがしっかりしているぶん、より効率的な身体の使い方が可能になり、アジリティが向上したのでしょう。

じゃあアジリティのトレーニングはいらないの?

それでは「アジリティのトレーニングがいらないのか?」というと、それは時と場合によると考えられます。

私の大学院時代の研究では、「スプリントを用いた180度の方向転換の場合、アジリティの優れている選手は重心が低く、次の方向へ体幹を傾斜させてる傾向にある」ということがわかりました。


[方向転換スピードに寄与する直接的因子、間接的因子の抽出]((http://www.nsca-japan.or.jp/pdf/confe2015_poster_sasabe.pdf)

その動作をおこなうためにはそもそも筋力が必要である可能性も含まれていますが、筋力があるからといってその動作ができているとも限りません。

筋力・パワーを身につけたうえでバスケやサッカーをおこなえば、自然とその効率的な動作を身につけられる可能性もあります。

しかし競技のなかで効果的な動作を自然と身につけられない選手には、アジリティの技術的な指導が必要なこともあります。

まとめ

まずは前回の記事でも述べた通り、アジリティ、ジャンプ力、スピードなど多くの体力要素のベースである「筋力・パワー」を高めること。

そして、「その(筋力やパワー)がどうしても競技に活かせない」という場合にアジリティのスキルトレーニングを取り入れる、という優先順位で考えましょう!

参考文献・資料

LONG-TERM STRENGTH TRAINING EFFECTS ON CHANGE-OF-DIRECTION SPRINT PERFORMANCE MICHAEL KEINER, ANDRE SANDER, KLAUS WIRTH, AND DIETMAR SCHMIDTBLEICHER Journal of Strength and Conditioning Research 2013,28(1)/223–231

NSCAジャパンHP 事例報告・研究論文
http://www.nsca-japan.or.jp/03_educate/contribute.html