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〔上級編〕チームの強さを引き出す、コミュニケーションの5つのコツ【新キャプテン育成塾vol.4】

この記事は2017.03.02に公開した記事に加筆・修正を加えたものです。

こんにちは、スポーツメンタルトレーニング指導士の河津です。

前回は何かを変える第一歩目として、初歩的なコミュニケーションのコツを紹介いたしました。

今回は少し高度なスキルや、チーム全体でできそうな、コミュニケーションの5つのコツを紹介していきたいと思います。

新キャプテンだけでなく、指導者にもぜひ読んでいただきたい内容です。

意見をスムーズに引き出すスキル3つ

握手する男性

前回のコミュニケーションのコツを使うことで、「ある程度チームメイトとのコミュニケーションが活発になり、こちらからの質問に対しても本音で答えてくれるようになってきたな。」と感じるようになっても、選手によってはそもそも問題点や自分の思っていることを言葉にするのが得意ではない人もいるでしょう。

そんな選手に話を聴くときには以下の3点に注意しておくといいかもしれません。

①簡単に答えられる質問から始める

指でミニチュアの階段をのぼる

自分の意見を言うことを苦手とする選手に対して、いきなり

「今のチームに必要なことってなんだと思う?」
「チームに対して君は何ができる?」

といきなり核心を突くような、難しい質問をしてしまうとかなりハードルが上がってしまいます。

少しコミュニケーションが取れるようになったからといって、いきなり深い話をするのは負担が大きくなってしまいますので、まずは簡単に答えられる質問からするとよいでしょう。

「最近調子よさそうだね?」「フィジカルあがってきてるね!」のようなあいさつ程度の声掛けでも大丈夫です。
このような質問に「はい!」「そうですね!」などと答えていくことで選手のほうも質問に答える準備が徐々にできてきます。

②大まかな答えを徐々にほぐしていく(チャンクダウン)

石の塊

少し抽象的な話になりますが、人は何かを記憶するとき、チャンクという塊にして保存しています。

これは、過去の出来事だけではなく、自分の意見についても同様です。

塊にしたものを引き出す時はいきなり具体的に、細分化された状態で引き出すのは結構難しいものです。

例えば、上記でのべた「今のチームに必要なことってなんだと思う?」という質問をして、いきなり、「オフェンスは~で、ディフェンスは~で、コミュニケーションの面では......」という細分化した答えは出てきづらいものです。

質問する方のキャプテンや、監督・コーチは常日頃からそういった事を細かく考えていますので、選手にも同じ程度の答えを求めてしまいがちになります。

そうなると、選手が同じレベルで答えられないことにやきもきしてしまうこともあるかもしれません。そうなるとそのイライラが選手に伝わって、選手が固まってしまうなんてこともありそうですね。

バスケットボール選手に指をさして指導するコーチ

そんな時は、がっかりせずに相手の塊をほぐす質問をしていきましょう

「今のチームに必要なことは何かな?」という質問に対して、「強さですね!」と答えられたら、「特にどんな場面での強さかな」というような感じです。

「選手の意見を具体的にしていくのはそもそも自分の役割だ」と日ごろから認識しておけばイライラすることもないでしょう。もちろん選手自身で考えられるように成長してもらうことも望んで当然ですが......。

③「なぜ?」でなく「なに?」という言葉を使おう

資料を使ったヒアリング

「これはなぜ?」「なぜ強くなれないんだろう?」という質問は「開いた質問」と言って、相手の意見を自由に引き出すための質問法としておすすめのものですが、言い方次第では相手を攻めたてている印象になってしまいます。

この「なぜ」という言葉は責任を追及するような意味が含まれるため、選手によっては責められている印象を受けてしまうかもしれません。

そんな時は代わりに「なに」を使うようにすると良いでしょう。

資料を使ってミーティングするチーム

「なぜチームが強くなれないんだと思う?」という言い方だと「自分が悪いのかな?」と自分を責めて考えてしまう選手には、

「チームが強くなれないのは、なにが原因なのかな?」と「なに」を中心にして質問することで、問題を客観的にとらえて考えることができるようになり、応答もスムーズにいくようになるでしょう。

チーム全体でできる、コミュニケーション向上の方法2つ

ここからは、キャプテン、指導者などのチームリーダーだけでなく、チームのメンバー全体を巻き込んでできることを紹介します。

④チームの目標と個人の目標をすり合わせる

「強いチームは、チームの目標や作戦などを共有している」というお話をしましたが、選手一人ひとりは、きちんとチームでの自分の存在価値や、自分にとってそのチームで競技をすることの価値をしっかり見出しているものです。

談笑するテニス選手

1人1人の選手は、その前提があって、初めてチームへ深く関わることができ始めるのだと思います。

そこで、まずチームの目標設定とともに、個人の目標をしっかりと設定してもらいましょう。さらに個人の目標とチームの目標が繋がっていくようにすり合わせると良いと思います。

自分のためにやることがチームのためになり、チームのためにやることが自分のためにもなる、そんな形を作れれば選手たちも前向きにチームへ関わってくれることでしょう。

▼目標設定に関するおすすめ記事はこちら

⑤メンバー同士の自発的なコミュニケーション向上

拳を握り叫ぶ男性

強いチームになるためには、最終的には選手同士が厳しいことでも言い合えるようになることが必要になります。

その実現のためには、コミュニケーションを促進するような仕組みづくりが必要です。

具体的には「コミュニケーションについて何か決めごとをつくって行動する」ということが考えられます。

例えば、記憶にも新しいラグビー日本代表、そのメンタルコーチを務めた荒木先生は、就任1年目にチームのリーダーグループに練習中選手たちのいいところをほめる、前向きなコメントするということを徹底してもらったそうです

これは選手たちの自信を向上させる目的があったようですが、それ以外にも選手たちの心理的な壁を減らし、コミュニケーションをしやすくするためにも役立つように思います。

特にコミュニケーション促進を狙うのであれば、決めごとを「目上の方からあいさつを必ずする」「目上の方から声をかけ、練習や競技の質問をしていく」などに変えると良いのではないでしょうか?

とにかく何かしら「行動を変える」ということが一番のポイントになると思います。

そのほかにもコミュニケーションの基本的な意味効果的なコミュニケーションの知識をメンバーに何度も教えることも効果があると思います。

このように「意識を変える」ということも行動の変化につながってくるので、根気よく続ければかならず効果が出てくるのではないでしょうか?ぜひ今回の記事を参考に実践してみてください。

参考文献

図解 コーチングスキル
ディスカヴァー・トゥエンティワン,2017年,鈴木義幸 著

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」
講談社+α新書,2016年,荒木香織 著