close

無料会員登録

MUSTERに会員登録すると、あなたに合わせたコンテンツが
自動的に配信され、日々のスポーツに関する悩みを専門家に相談できます。

利用開始をもって《利用規約》
《プライバシーポリシー》
同意したものとみなします。

close

ログイン

パスワードを忘れた方はこちら

専門家がこたえる
スポーツメディア

MENU

本当に役立つアジリティトレーニング【第3回:競技に適したアジリティとは】

こんにちは。東京都内でトレーナーとして活動しています、佐々部孝紀です。

前回の記事では、「間違ったアジリティトレーニング」という内容で、以下のことをお伝えしました。簡単におさらいしてみましょう。

①競技に適したアジリティを選択する
Tテストや反復横跳びやプロアジリティの中から競技に繋がる能力を選択する。

②選択した体力要素(体力測定の数値)が向上するようなトレーニングを選択する
動きの見た目などでトレーニングを選択しない

今回は、「①競技に適したアジリティ」というものについて、さらに深く理解していきましょう!

競技に適したアジリティとは?

まず前回の記事にて、卓球選手は10m×5などのスプリント(ダッシュ)を使ったアジリティより、反復横跳びのようなサイドステップを用いたアジリティのほうが重要であることが予想できるという話をしました。

このような思考を持つだけでもトレーニングの効率は断然変わってくるのですが、より確信を持ってトレーニングをおこなうために「優れた選手は、実際にそのアジリティも優れている」というデータがあればなお良しですよね。

例えば、「同世代の高レベルな選手と低レベルな選手で比べた場合に、高レベルな選手のほうがそのアジリティが優れていた」という具合です。

実際にサッカーについて以下のような研究があるので紹介します。

Jリーグサッカークラブにおける上位カテゴリーへの選手選抜に関する横断的研究
―体力・運動能力を対象として―
津越智雄、浅井武

被検者
Jリーグ及びその下部組織に所属するサッカー選手213名

方法
各世代の選抜された選手(ジュニアユース→ユースのように)と、選抜されなかった選手の体力要素を比較

結果

すべての年代において、選抜された選手は10m×5の結果が優れていた。

サッカーにおいては、バスケットやハンドボールのようにサイドステップで2歩も3歩も移動するようなことはないですよね。

どちらかというと、スプリントやクロスステップを使っての方向転換が重要であると考えられます。

実際に上記の研究のような「優れた選手は10m×5の能力も優れている」というデータがあると、これはもう10m×5(「アジリティ」ではなく10m×5)のような能力を中心に鍛えるべきですよね。

EBPに取り組んでみよう

このように、研究にもとづいた信頼できるデータをもとにおこなうトレーニングを、EBP(科学的根拠に基づく実践)といいます。

「科学的根拠」なんていうとすごく難しい印象を持たれるかもしれませんが、なんてことはありません。上記の研究のような誰でも理解できるようなデータも、きちんとした手順で収集したものであれば「科学的根拠」になるんです。

今やインターネット上には誰でも記事をアップできることもあり、間違った情報も溢れているのですが、上記のような「研究」というのは必ず専門家のチェックが入っているので信頼できる情報であることが多いです。

もしご自分で研究を探してみようと思ったら、私のHPで研究(学術論文)の探し方について説明していますのでご参考にしてください。

アスリートのためのトレーニング科学
HP内「学術論文の探し方」

参考にできる論文があればベストですが、実はアジリティというのはまだまだ研究の歴史が浅い分野ですので、競技によっては参考になるデータが見つからないかもしれません。

しかし先述したように、競技の動作から必要なアジリティを考えるということはデータがなくとも可能です。

競技別必要なアジリティの例

バスケットボール、ハンドボール

サイドステップ、バックラン、スプリントからの方向転換

野球、バレーボール

切り返しの動作よりも、静止した姿勢からの多方向への動き出し

サッカー、ラグビー

スプリントからの方向転換

テニス、バドミントン

中心から多方向への往復(スプリントが多い)

卓球

サイドステップ(短い距離)

次回から徐々に実践的な内容に入っていきますので、是非その前に上記の図「アジリティを測定するテスト」の中から、自分の競技に本当に必要なアジリティを考えてみてください!

参考文献

津越智雄、浅井武
J リーグサッカークラブにおける上位カテゴリーへの
選手選抜に関する横断的研究
―体力・運動能力を対象として―
体育学研究55:565-576,2010