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野球選手に「走り込み」は必要か?


こんにちは、フィジカルトレーナーとして活動しています、「片井忠(かたいただし)」です。

競技人口が多く、人気のスポーツである野球は、日本国内でも1年を通していろいろな選手やチームがメディアで取り上げられ、話題に事欠くことはありません。

そのなかでも現在野球選手の「走り込み」が話題になっていますので、実際に野球選手の指導もしてきた私の考えを述べたいと思います。

野球選手に「走り込み」は必要か?

まず結論から述べますと、「ある程度は必要」ということになります。

野球の競技での動作を考えると、野手の捕球や、投手の投球、打者・走者としての走塁など、どれもごく短時間での瞬発的な運動になります。

一見、一定のペースで走るようなペース走などは必要ないように感じますが、だからといって持久的な運動を全くしなくなると、運動生理学の考えである「エアロビック・アネロビックバランス」というものを崩してしまい、結果として全体的なパフォーマンスを崩すことになります。

エアロビック・アネロビックバランスとは「エアロビック運動(有酸素運動)」と「アネロビック運動(無酸素運動)」のバランスのことで、このどちらか片方の能力が過剰でも不足してもバランスを崩してしまい、結果として両方の能力が下がってしまうということが明らかになっています。

実際ほとんど有酸素運動をせず、無酸素運動にバランスが偏りすぎた選手対し、軽いジョギングをさせた後ベンチプレスの計測をさせるといつもの重量が上がらなくなるということが報告されています。

つまり、野球はあくまでも無酸素運動がメインのスポーツですが、このエアロビック・アネロビックバランスを崩しすぎないために、補強や補助としての有酸素運動が必要になるのです。

野球選手のための「走り込み」とは?

有酸素運動はある程度は必要という考えのうえで、「実際にはどのような走り込みが必要となるか?」を考える際に大切なのは、人間の身体が持つ「特異性の原則」です。

特異性の原則を簡単に説明すると、「おこなっている運動に適した身体になる」というもので、同じ走るアスリートでもマラソン選手と短距離走選手の体型が全く違うように、競技に適した身体へと変わっていきます。

実際に筋肉の性質や心肺機能などが変化していくため、実際の競技中に酸素を取り込みながら運動することのない野球選手に、「長時間一定のペースで走る」というようなメニューは必要ないどころか、逆に投球や打球、走塁時に必要な瞬発力を下げてしまう可能性もあります

そのため有酸素運動が必要といっても、60分以上走るようなペース走は全く必要なく、基本的には短距離のダッシュを休みを挟んで繰り返したり、150m〜350m全力全力で走って5分完全に休養などの「レペティション走」などが重要です。

ペース走をするにしても1回20分から長くても40分、週に2〜3回が野球選手に必要なものと言えるでしょう。

実際のプロ選手はどうしているのか?

最後に実際にオフの期間にプロの選手はどういったトレーニングをしているのか紹介していきます。

プロの選手になると、だいたい11月から2月がオフシーズンのトレーニング期間となります。

4ヶ月のトレーニング期間でずっと同じ形式のトレーニングを続けても徐々に効果が低くなっていくという考え方があるので、1ヶ月ごとに期間を分けて有酸素運動を切り替えていきます。

例えばオフシーズンに入ったばかりの11月は、シーズン中に落ちた体力や心肺機能を回復させ、今後のトレーニングに備えるために心肺機能を高めるLSDトレーニング(ロングスロウディスタンス)やATペース走を多くし、12月は休憩時間を短くしたショートインターバルトレーニング、1月は150~350mを全力疾走し5分休むといった「レペティショントレーニング」、シーズンが近くと10m・30m・50mの短距離ダッシュを重ねるといった具合に、シーズンが近くにつれてトレーニング内容を試合の状況に近いものにしていきます。

こうして身体を競技の特異性に合わせつつ、エアロビック・アネロビックバランスを保ってシーズンに入っていくのです。

学生選手はどうすればいいか?

明確なシーズンのない学生選手は、トレーニングを変える期間を1ヶ月ごとにするのではなく、1週間のうちに上記で紹介したようなトレーニングをいろいろと入れ替えていくのがいいと思います。

例えば週2でペース走、週2でレペティショントレーニング、週2でショートダッシュなどです。

有酸素運動はサブとして必要

今回はフィジカルトレーナーの観点から野球選手に必要な有酸素運動についての考え方や有酸素運動について紹介しました。

野球は瞬発力やパワーが大切なスポーツなので、トレーニングはこちらに重点を置きますが、これらを強化するための「無酸素運動だけをおこなう」のは得策ではないということを知っておいてください。

また、当サイトでは選手や指導者の方からの質問にもお答えしております。

「〜〜のためにはどんなトレーニングをすればいいか?」「〜〜のトレーニングにはどういった意味があるか」などの質問がある方はこちらで受け付けておりますので、ご気軽にご質問ください。