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【もう腰をケガしない】デッドリフトのやり方・フォーム完全ガイド

こんにちは、フィジカルトレーナーとして活動しています、「片井忠(かたいただし)」です。

突然ですが、「デッドリフト」で腰を痛めてしまったことはありませんか?

少しでもウェイトトレーニングに触れたことのある方なら、間違いなくご存知であろう王道種目、「デッドリフト」。

床に置かれたバーベルを持ち上げるだけの非常にシンプルなトレーニングですが、ベンチプレスやスクワットと並び、トレーニングの「ビッグ3」と呼ばれ、スポーツ競技はもちろん、見せる(魅せる)競技であるボディビル、果ては健康な身体作りのためなど、あらゆる目的で取り入れられる種目です。

ですが、実際に正しいフォームや、やり方(回数やセット数)で出来ていると、自信を持って言える人はどのくらいいるでしょうか?

いきなり重い重量に自己流のフォームで挑戦して腰を痛めていないでしょうか?

デッドリフトに限らず、どんな有効なトレーニングでも正しいやり方でなければ、ケガをする危険が生まれてしまいます。

そこで、今回はソフトバンクホークスの選手の指導歴もある私から、デッドリフトのやり方フォームの注意点腰などをケガしないためのポイント重い重量をあげるコツなど、「デッドリフト攻略ガイド」というテーマでお話ししたいと思います。

  • デッドリフトをメニューに入れたいけど、腰のケガへの不安がある。
  • デッドリフトを取り入れたのはいいけど、フォームが正しいかわからない
  • どんどん伸びていた重量の記録が停滞してきた

この記事ではこういった初心者から上級者までの悩みを全て解決したいと思います。今後デッドリフトで迷ったことがあれば、いつでも参考にしてください。

では早速本編に入っていきましょう!

ケガを防ぐ、デッドリフトの正しいフォームとやり方・目次

  • 基礎能力のアップに最適。デッドリフトがビッグ3と呼ばれる理由
  • デッドリフトで鍛えられる筋肉は?デッドリフトの効果は?
  • デッドリフトの正しいやり方(回数・重量・セット数)
  • デッドリフトの正しいフォーム
  • デッドリフトで腰を痛めたときの原因は?
  • 代わりになるトレーニングは?
  • トレーニングベルトは必要?
  • 床で止めるべき?
  • 記録が停滞したら?
  • スクワットとデッドリフト、どちらを先にやるべき?
  • 少しなら背中が曲がってもいいの?

基礎能力のアップに最適。デッドリフトがビッグ3と呼ばれる理由

そもそもなぜデッドリフトやベンチプレス、スクワットがビッグ3と呼ばれるかご存知でしょうか?

これは、この3つの動きが、人が生まれてから最初に身につける最も基本的な動作だからです。

イメージしてみてください。人が生まれた後、自分で動けるようになると、まず最初は「ハイハイ」をします。

続いて2本の足で立つ「立ち上がり」、それと一緒に支えになるものを引っ張る「モノを掴んで引き寄せる」といった動きを覚えていきますよね?

この3つの動きをよく見てみると、腕で地面を押すハイハイはベンチプレスに、立ち上がる動きはスクワット引き寄せる動きはデッドリフトとそっくりです。

スポーツで必要な「走る」「跳ぶ」「投げる」といった動作も、この基本的な動きのうえに成り立っています。

こうするとビッグ3がなぜ大切か、どれだけ大切なのか簡単にお分りいただけるのではないでしょうか?

デッドリフトが大切な理由・クイックリフトの基礎になる

ビッグ3のなかでもデッドリフトが他の2種目と違うのは、「クイックリフト」のフォームを身につけるための基礎になる点です。

ハイクリーンやスナッチなどの爆発的な動きでバーベルを上げる種目は、筋力よりもパワー(筋力×スピード)が必要なスポーツ選手にとって欠かせないトレーニングです。

これらを安全におこなうための基礎になるんですね。

デッドリフトで鍛えられる筋肉・効果

大まかに大切さを感じてもらった次は、具体的にデッドリフトを取り入れるとどういった効果があるのかといったところをお話しします。

デッドリフトの最大の効果は「股関節の伸展=曲げている脚を伸ばす動作」を強化することです。

前述した通り、そもそも人間としての動きの基本に関わるものなので、「走る」はもちろん、「跳ぶ」「打つ」「蹴る」など、あらゆる動きの基本になります。

デッドリフトで鍛えられる大殿筋・ハムストリング・脊柱起立筋

筋肉で言えば、さまざまな筋肉が鍛えられますが、主なものは以下の3つです。

  • 大殿筋(だいでんきん)・おしり
  • ハムストリング・太ももの裏側
  • 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)・背骨に沿って走る筋肉の総称・背筋を伸ばし、姿勢をキープさせる

特に、大殿筋には大きな負荷がかかります。

そのほか、補助として働くものには、大腿四頭筋(太ももの前側)や僧帽筋、広背筋など背中全体の筋肉も鍛えられます。

デッドリフトの効果「トップスピードの向上」

デッドリフトによって大殿筋・ハムストリング・脊柱起立筋などの筋肉が鍛えられたときの具体的な効果は、「トップスピードの向上」です。

陸上競技の短距離走をイメージしてください。

スタートダッシュの姿勢では膝が大きく曲がっているため、大腿四頭筋がメインに働きますが、加速するにしたがって膝は伸び、メインはハムストリングや大殿筋の方へと切り替わっていきますよね。

デッドリフトではハムストリングや大殿筋がより鍛えられるので、「トップスピードの向上」が期待できるのです。

この点を考えると、加速したらすぐに切り返しがあるような競技よりも、トップスピードである程度走り続ける陸上競技や、サッカーのサイドバックラグビーのウイングなどトップスピードである程度走り続けるポジションの人におすすめしたいトレーニングですね。

デッドリフトの効果「体幹の強化」

また近頃「体幹トレーニング」や「インナーマッスル」といった言葉が一般化してきましたが、デッドリフトはこうした身体のコア部分の強化にも有効です。

負荷を上げていくと、自然とお腹に力を入れる(腹圧を入れる)ため、体幹部の筋肉である腹横筋などが知らず知らずのうちに鍛えられます。

おしりや太ももも鍛えられて、体幹も鍛えられる……一石二鳥といったところですね!

逆に、体重に対して比較的軽いものしか上げられない場合、こうしたコア部分が弱いということも考えられます。

そういった方は体幹トレーニングやピラティスなどで体幹に力を入れる感覚を身につけ、活性化する必要があると言えるでしょう。

デッドリフトの正しいやり方(重量・回数・セット数など)

重量の設定

まず重量の設定ですが、初心者の場合、女性ならバーベルのシャフトだけの状態から(15〜20kg)男性は自分の体重の5〜6割を目安に正しいフォームで上げることを挑戦してみましょう。

男性の場合は自分の体重が持ち上げられるようになったら初心者卒業、特にパワーリフティングをやるのでないなら、体重の2倍を上げれば上級者といっていいです!

回数の設定

回数は最初はフォームを身につけるために10RM(10回は挙げられるけれど11回目は無理、という負荷)を基本に、筋肥大なら6〜12RM、最大筋力アップなら8〜9割の力で3RMを目安にしてください。これを3〜4セットを基本におこないましょう。

▼参考記事

「あれ、回数少なくない?」と思われる方もいるかもしれませんが、私の経験則上、このくらいの回数の方がおすすめです。

デッドリフトは多くの筋肉を使うため、最後の数回は姿勢をキープするのが難しくなってきます。

正しいトレーニングを心がけるなら、高重量で低回数にしてみましょう。フォームを身につけた場合の目安は6〜8RMで3〜4セットです

デッドリフトの正しいフォーム

ここからはデッドリフトの動作にそってポイントなどを解説していきます。

ほとんどの方が動きはわかっていらっしゃると思いますが、一応参考としてこちらの動画もご覧ください。

立つ位置

超基本の立つ位置から解説します。

まずはシャフトとすねが触れるくらい、バーベルと身体をできるだけ近付けましょう。実は離れれば離れるだけ、腰にかかる負担が増えます。

シャフトが足の親指の付け根、母趾球の上あたりにあるイメージですね。

あとは足幅ですが、骨盤からまっすぐ足をおろすようなイメージで立つと、ちょうど足は腰の幅くらいになります。これを基準にしてみましょう。

バーベルの握り方

腰幅に開いた足の少し外側を握ると、ちょうど肩幅くらいになります。

ここまでの流れのとおりに握ると、肩の位置がシャフトの真上か、少し前あたりに来るはずです。

握り方ですが、初心者ならば順手(オーバーグリップ)で十分!

負荷が上がると手を互い違いにする「オルタネイトグリップ」で握る人もいますが、競技上リストストラップやパワーグリップが使えないパワーリフター以外は、そこまでする必要もないと思います。

背中のトレーニングに集中するために、握りに不安があるなら、リフトストラップやパワーグリップを使うといいでしょう。

姿勢

さて、バーベルを握ったらあとは持ち上げるだけです。

ここからが最重要ポイントなので、しっかりとイメージしながら読んでみてください。

まずは足裏全体でしっかりと地面を踏みしめて、かかとを浮かさないようにします。

背中はまっすぐに伸ばし、猫背にならないように注意。猫背にならないようにと言うと身体を反らせすぎてしまう方もいますが、あくまでまっすぐ

丸まらず、反らずのニュートラルでお腹に一番力が入るポジションです。

細かいポイントとしては、肩が力んですくまないように、落とした状態にしておきましょう。

ファーストプル→セカンドプル→フィニッシュ

姿勢ができたら実際に持ち上げていきます。

バーベルが床から膝の上までを「ファーストプル」、膝から太ももまでは「セカンドプル」と呼びます。

ファーストプルでは上体の姿勢を変えずに、膝を伸ばす力でバーベルを引き上げてください。

次にセカンドプルでは、バーベルを身体に近づけたまま、太ももを添わせるように引き上げていきます。上体を徐々に垂直に起こしていきましょう。

フィニッシュは肩を落としたまま、肩甲骨を内側に引き寄せるようにします。

このとき過度に上体を反らせる人がいますが、腰に負担がかかるだけで特に効果がないので、身体が垂直になったらストップしてOKです。

デッドリフトの呼吸

最初のうちは「引き上げるときに吐く」「下ろすときに吸う」のが基本です。ただ、この呼吸法だと高重量を上げづらいという問題もあります。

そこで、ある程度のトレーニングの経験があり、負荷を大きくする場合には「怒責(どせき)」を使ってみましょう。

  • 息を大きく吸って、止める
  • バーベルを上げきったら、そこで息を吐く
  • 下ろしながら吸う

今まで「怒責」という言葉を知らなかった人でも、高重量を扱っている人は自然とこの方法をとっていると思います。

この怒責は血圧が一気に高まるので、「血管が切れたりすることがあるのでは?」と心配されるかもしれませんが、しっかりとトレーニング経験があれば、怒責によって「くも膜下出血などになった」という事例は聞いたことがありません。

ただし、怒責を長年続けていると、心臓が肥大する「心肥大」が起こり、息切れや疲労感といった症状が出る可能性もあるので、決して多用すべきではないことを頭に置いておきましょう。

目線

フォームでの注意点、最後は目線です。

動作中は、顔も目線も、常に正面をキープしておきましょう。

裏技として「頚反射」(首の傾きによる反射)を使ってファーストプルのとき、顎を引くことで大腿四頭筋に力が入りやすくするというものもありますが、猫背になるという問題もあるので、基本は常に正面を向けておくようにしてください。

デッドリフトの種類

デッドリフトは細かく分ければいくつかの種類があります。それぞれについて簡単に紹介しましょう。

ミディアムスタンス

これまでに紹介した「足を腰幅に開く」ものがミディアムスタンスです。

ワイドスタンス(スモウスタンス・スモウデッドリフト)

ミディアムスタンスから、さらに足を開く幅を広げるとワイドスタンスのデッドリフトです。

見た目の姿勢が相撲の立ち会いのようなので、スモウスタンススモウデッドリフトと呼ばれることもあります。

このスタンスは相撲の立ち合いなど、足幅を広く、重心を低くして相手を押し出す力が必要な種目では、特に有効です。ラグビーのスクラムのフロントメンバーも同じような姿勢ですよね。

またボディビルなどのために見た目を意識する人は、ミディアムスタンスよりも内転筋の発達が期待できる方法ですので、バリュエーションのひとつとして取り入れてもいいのではないでしょうか。

ナロウスタンス

逆に足幅を狭くしたナロウスタンスは、膝が開きやすくなる、いわゆるニーアウトになり、ケガの危険が高いので、私はおすすめしていないです。

ハムストリングや大殿筋へ刺激を強くしたいなら、脚を曲げずにバーベルを持ち上げるスティッフレッグや、ルーマニアンといったデッドリフトにトライしてみるといいでしょう。

デッドリフト一問一答

最後に、デッドリフトに関してよく耳にする質問に答えていきたいと思います。

腰を痛めてしまいました……デッドリフトで腰を痛める原因は?

なんといってもフォームが悪いことが原因です。

よくあるふたつの問題点を紹介しましょう。

  • バーベルと身体が離れてしまっている
  • ファーストプルのとき、膝が先に伸びてしまい、上体が前に突っ込んだ状態から腰の力で挙げようとしている

1は先ほども書きましたが、バーベルが身体から離れるほど負担になるのでこちら要注意です!

バーベルは近くに意識しているのに、腰が痛くなるという方は2のような状態になっていないか気をつけてください。

2のような姿勢はイメージしにくいかもしれませんが、水泳の飛び込む直前のような姿勢と言うとわかりやすいでしょうか?

おしりだけが先に上がってしまって、身体が前のめりになったような状態です。こうすると腰の力だけで無理やり上げなければいけないので、腰に負担がかかります。

腰が痛くなっては治しての繰り返しの人は、この部分を見直してみましょう。

デッドリフトができる環境がありません、代わりになるようなトレーニングはありますか?

完璧に代わりになるものはなかなかありませんが、デッドリフトをするまでのステップアップになるトレーニングなら、45°の「バックエクステンション」を取り入れてみましょう。

ジムにあるバックエクステンションのスタンドには、身体がまっすぐになったときに、45°を指すものと、90°を指すものがありますが、前者のものですね。

90°ですと後半に負荷が強くなるので初心者には難しいものになってしまいます。

トレーニングベルトは必要ですか?「スポーツに活きる体幹ができない」と言われました。

これは目的に応じて、臨機応変に対応してください。

ベルトは高重量を安全に扱うためのものですが、スポーツの場面ではベルトがなくても腹圧を高めなければいけません。

オフシーズンの体力強化が目的でしたら、つけないことで体幹やインナーマッスルを効果的に鍛えるというのもひとつの手です。

ただ、高重量にチャレンジするや、追い込み時期のトレーニングの場合は、安全面から必ずベルトをつけるようにしてください。

個人的には、ウォーミングアップのときにはベルトをつけさせず、アップの最後のセットか、メインのトレーニングが始まるというタイミングでベルトをつけさせることにしています。

バーベルを下ろすとき、床でバウンドさせてもいいんでしょうか?

こちらも目的によって考えた方がいいと思います。

たとえば、短距離選手のスタートダッシュを強化させるときには、ゼロから動かす力が必要なので1回1回静止させておこなうようにしました。

逆に中間加速を強化させる場合、リズム感なども必要になるため、軽くバウンドさせるのもいいと思いますが、それでも落とすように大きくバウンドさせてしまうのは負荷が逃げてしまうのでNGです。

トレーニングの目的にあわせて考えてみましょう。

記録が停滞してしまいました、どうしたら伸びるでしょうか?

メインのトレーニング(デッドリフト)は変えずに、補助トレーニングの内容を見直してみてはいかがでしょうか?

大殿筋や脊柱起立筋、ハムストリングなどデッドリフトに必要な筋肉の中から、自分に足りないものを強化するようなメニューを選ぶとよいと思います。

1RMでMAXを狙うとき、背中が少し曲がってしまいます。これは問題ないのでしょうか?

正しいフォームのポイントを押さえていれば、多少曲がってしまっていても問題はないです。(もちろん程度の問題はありますが)

ただ、1RMは高重量でもありケガのリスクが高いので、正しいフォームを特に意識するようにしてください。

何よりも正しいフォームとやり方をマスターすべし

ここまで長々とデッドリフトについて解説しました。ここまで書いたことを実践できたら間違いなく正しいフォームになっているはずです。

あらゆるスポーツにとって有効なデッドリフト。しっかりとフォームを身につけ、安全に気をつけて取り組んでください!