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スポーツのための減量のすべて「減量の基本」

こんにちは、パーソナルトレーナー兼、管理栄養士として活動している吉村です。

皆さんは減量と聞いてイメージするものは何でしょうか?

  • 長時間のランニングがキツい
  • 普通の練習すら苦しくなる
  • ずっと食欲を我慢しなくてはいけない
  • 水分をカットする「水断ち」で少しでも体重を軽くしなければ

こういった苦しいきつい我慢水絶ちといったマイナスイメージを感じる方がほとんどかと思います。

しかし、こういったイメージを連想してしまう方は、過去に無計画で、知識が不足した減量を経験したことがある人がほとんどです。

減量は正しい知識ときちんとした計画を立てた上で実行すれば、ストレスを受けることは少なく、マイナスイメージを持つこともグッと少なくなります。

今回から連載形式で管理栄養士とパーソナルトレーナーの知識の両面から、正しい減量の方法を解説します。

体重で階級の分けられるボクシングや柔道、レスリングなどの格闘技の選手や、フィギュアスケートやバレエ、新体操など見た目の美しさが要求される選手、そのほか体重の管理をする選手は参考にしてみてください。

減量の基本的な考え方

減量の基本的な考えとしては、競技力向上を視野に入れた体重管理であり、健康維持・増進の体重管理とほとんど変わりません。

一般の方のダイエットとの違いがあるとすれば、減量をすることで競技力の向上を考えなければいけないということです。

つまり減量によって競技力(パフォーマンス)が落ちてしまってはいけません。減量は人間が本来持っている機能を最大限に引き出すための過程なのです。

ここで減量を成功させるときに知っておかなければいけないことがあります。それが以下の4つです。

①減量の目標と期間の設定
②身体組成(筋肉量や体脂肪率など)の把握
③栄養学と生化学の正しい知識
④トレーニングの分析と評価

パッと内容だけ言われてもわかりにくいかもしれないので、登山に例えて解説したいと思います。

①減量の目標と期間の設定

これはズバリ、登る山を決めることと、いつまでにその山を登るかということです。4つのなかでは比較的わかりやすいものですね。

当たり前ですが、しっかりと登る山を決めておかなければ、山頂にたどり着くことはできません。

また、山頂からの朝日を見たいのに、昼過ぎに到着するようでは遅すぎます。

減量の目標と期間をしっかり設定してください。

②身体組成(筋肉量や体脂肪率など)の把握

身体組成の把握は自分の現在地や、取れる交通手段などを把握するものに近いと思ってください。

「今、自分はどこにいるのか?どんなスピードで動けるのか?」などを知ることができれば、「時間に間に合うのか?着実に進んでいるのか?」といった無駄な悩みも焦りも無くなります。

体重計や体脂肪計、それよりさらに精度の高い体組成計などで把握することができますが、測定する際は測定器のメーカーを統一し、測定する時間帯などの条件は一定にして行うことをオススメします。

③栄養学と生化学の正しい知識

栄養学と生化学の正しい知識は登山に例えると、正しい山の歩き方や、地図を持つようなものだと思ってください。

目標と現在地を把握した後に必要なのは、目標までの正しい道のりや目標までの向かい方を知っておくことです。

栄養学や生化学の正しい知識を知っておくことで、無駄な減量やダイエットのテクニックなどに迷わされることなく、ダイエットや減量を進めることができます。

④トレーニングの分析と評価

最後はトレーニングの分析と評価です。

これも栄養学と生化学の正しい知識と同じく、正しい山の歩き方や、地図を持つようなものです。減量・ダイエットは食事とトレーニングは両立しなければ正しくおこなえません。

今のトレーニングが目標に対して適正か、もっと効率良くできないかなどを考えることが大切です。

トレーニングの分析と評価に関しては、専門家の手を借りることも有効です。

具体的なやり方

では大切な項目がイメージできたところで、それぞれの具体的なやり方について解説していきます。今回はまず減量の目標設定についてです。

減量の目標設定をする

まずは、減量の目標設定が大切になります。

この目標設定とは、自分が体重を何kgまで落として良いのかを確認する作業になります。

誤った目標設定してしまうと試合には勝てないと思っていただいてもいいぐらい大切です。

例を挙げながら説明をしていきましょう。

体重50kg、体脂肪率16%の選手が体重を47kgに落としたいとします。

体重50kg、体脂肪率16%ということは、8kgが体脂肪ということになります。

パフォーマンスの向上を考えると、筋肉ではなく体脂肪を3kg落とすことが理想になります。理想通り脂肪で3kg減量できた場合、体重47kg、体脂肪量5kgとなります。

体重47kg、体脂肪量5kgであれば体脂肪率は10.6%なので、体脂肪率的にもパフォーマンスに悪影響は及ぼさない範囲なので問題はありません。

体脂肪率の目安としては男性なら3%、女性なら10%を下回らないようにして下さい。

この数字を下回ると、持久的な体力が低下してしまう可能性があるので気を付けましょう。

減量の道筋を決める

目標設定ができたら、次はどのように減量を進めていくかを考えます。

こちらも具体的な数値の例を挙げながら説明していきます。

体重3kgを1ヶ月で落とすとします。この場合どれだけのカロリーをエネルギーとしてカットしなければいけないでしょうか?

脂肪は1gにつき9kcalのエネルギーを持っているため、体脂肪1kgを燃焼するために必要なエネルギー量は9,000kcal……と思うかもしれませんが、実は体脂肪1kgあたり2割は水分や細胞を形作る物質でできているため、8割のエネルギー量、7,200kcalを消費すれば1kgの体脂肪を消費できます。

この計算だと体脂肪3kgを燃焼するとなると、21,600kcalの燃焼が必要です。

21,600kcalとなると一般的な成人男性の平均摂取カロリーの約10倍、つまり10日分になるため、かなり難しく感じるかもしれません。

今回の例では1ヶ月が期間の目標なので、1ヶ月を30日として21,600kcalを30日で割ってみましょう。すると1日720kcalを燃焼する、もしくは食事の制限によってカットすることが必要だとわかります。

ここまでくると少し現実味が出てきましたね。

運動と食事による割合を決める

さらに、個人によって運動量を増やした方がやりやすい場合と食事量を制限した方がやりやすい場合とあります。これは生活習慣や、体質を考えた上で、この720kcalを運動と食事で何割ずつカットしていくのかを決めていきます。

食事だけで720kcalを減らすとなると1食まるごと欠食しなければならないほどですが、このような方法だと減量はあまり上手くできません。

運動で半分の360kcalを減らすなら、おにぎり2個ほどのカロリーを食事から減らすだけで良くなります。

このように目標となる数値を細かくし、運動と食事で割合を決めていくと、最終的に運動と食事で数百kcalずつになるので、モチベーションが保ちやすくなります。

目標が厳しいなら減量期間を見直す

もしこれまでの計算で、「1日1000kcal減らさなければならない」「今までの経験上、こんなに食事を減らすのは難しい」というような結果になってしまったときはどうすればいいでしょうか?

記事の冒頭に書きましたように、減量で大切なのは、まずはパフォーマンスを落とさずに実行可能な目標設定をすることです。

ここで出た数字が現実的に厳しいのであれば、減量開始時期を早め、減量期間を伸ばすなどの対処を取ってしっかりとパフォーマンスを落とさない減量をしてください。

次回以降の連載