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【神話化している?】「インナーマッスル」を鍛える前に正しく知りたい「肩」の仕組み

こんにちは、パーソナルトレーナーとしてプロ野球選手から学生のトレーニング指導をしている河村です。

前回は野球選手がウェイトトレーニングを取り入れる際の注意点を解説しました。今回はそれに関係するトピックである「インナーマッスル」について解説していこうと思います。

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インナーマッスルとは?

ここ数年、野球の肩のトレーニングと言えばチューブやダンベルを使用した「インナーマッスル」のトレーニングのみが取り上げられ、全ての肩の動きはインナーマッスルによって動かされていると、間違った解釈をされています。

立位の体勢(立った状態)から腕を前に挙げる動き(肩関節屈曲)は、これは肩のアウターマッスルである三角筋という筋肉の前部が主に働き、立位の体勢から腕を真横に挙げる動き(肩関節外転)は三角筋の中部が主として働きます。

肩のインナーマッスルはいわゆる「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」

これは肩関節を正常な位置に納めるため肩を安定させるため肩の動きをスムーズにするためフォロースルー期にその動きを止めるための筋肉の事を言います。

これらの観点から、野球の「投げる」という動作を見た時に、どちらが大事かと言えば、どちらかだけではなく、アウターマッスル・インナーマッスルともに大事な筋肉なのです。

では、とにかく鍛えるべきなのか?

しかし、ここで間違ってはいけないのは、アウターマッスルはインナーマッスルと比べて筋肉が太いため、トレーニング強度を高め過ぎると筋肉が肥大しすぎて、関節の動きを悪くする働きがあります。

この点を考えると、肩のトレーニングに関しては、他の部位と比べてトレーニングで扱う重量は軽くなってきます。

加えて、肩は緩い関節包(関節周辺を覆っている滑膜組織)が弱い靭帯(骨と骨を結びつけている組織)で補強されているので、けがを防ぐためにもよりローテーターカフ、つまりインナーマッスルの強化が必要とされます。

肩のインナーマッスルの役割

身体の中で、インナーマッスルと言われる筋肉は各部位に存在します。言葉通り、インナー=内側・マッスル=筋肉なので、表層ではなく深層にある筋肉という意味合いにもなります。

それと、インナーマッスルは関節をひとつだけまたぐ「単関節筋」で、大きなパワーを生み出す筋肉ではなく、関節が変な方向へ行かないように、安定させる筋肉になります。

対する大きなパワーを生み出すアウターマッスルは、関節をふたつ以上またぐ「多関節筋」で、こちらは筋肉や腱が長くて太いので、大きなトルク(回転する力)を生み出します

車のタイヤ部分で言えば、インナーマッスルはネジやビスになり、アウターマッスルはタイヤというイメージです。

ネジやビスがしっかりと締まっていて正しいポジションにないと、タイヤは綺麗に回らないので、どこか一部分だけに圧がかかって破裂してしまう可能性もありますし、ネジやビスが外れてタイヤまでもどこかへ飛んでいく可能性もあります。

身体でもこれと同じような事が起こります。肩や股関節の360度どの方向にも動かすことができる「球関節」では、関節が綺麗にハマることが、パワーを生むためにも、けがをしないためにも重要なのです。

肩関節の仕組みを知って「コツ」をつかむ

世間一般で言う「肩関節」というのは、専門的に言うと「肩甲上腕関節」という上腕骨と肩甲骨をつなぎ合わせている関節ですが、実は肩関節には5つの関節で構成されています。

1.胸鎖関節
2.肩鎖関節
3.肩甲上腕関節
4.肩峰下関節
5.肩甲胸郭関節

これら全ての関節がうまく機能しないと、肩に何らかの障害を起こす可能性が高くなってきます。

骨を意識することがトレーニングのコツ

「コツを掴む」という言葉がありますが、この「コツ」とはまさに骨の事。骨を意識することにより、上手な体の使い方を覚えてきます。

そして、この部門のトレーニングの中で意識してほしいのは『肩甲骨』。肩甲骨とは上の方の背中部分ある骨です。

この肩甲骨は、肩の部分にぶら下がってるようにあるので、肩甲骨に付着している筋肉が肩関節の機能に大きく関与し、この肩甲骨の動きで肩の障害が分かる程大事な骨のひとつです。

肩甲骨は、大きく動くことも重要ですし、その安定した場所にしっかりと止められる機能も大事です。よって、可動性と安定性を必要とする重要な部位なのです。

肩甲骨の位置を意識する

肩甲骨周辺は、可動性も安定性も大事な部分になると上記で説明しましたが、ではどのように大事なのか。

トレーナーの世界では、関節の「アライメント(配列)」の調整が非常に重要だと認識されていますが、一般的にはまだまだ広まっていません。

トレーニングが大好きな方で、たくさんベンチプレスをしている人の体を見てみると、ベンチプレスなどの胸の筋肉をつけるためのトレーニング多くやりすぎているせいか、肩が前にきて背中が丸まってしまう円背姿勢になっており、その後、肩を痛めてしまう人を多く見かけます。

肩甲骨は浮遊骨で筋肉に引っ張られるようになっているので、身体の前後の片方のみを鍛えると、その方向に引っ張られるという性質があります。

そのため、前後上下にバランスの良いトレーニングが必要です。簡単に言えば、「押したら引く」「挙げたら降ろす」という動きのトレーニングを心掛けることが重要です。

肩甲骨の正しい位置とは下記の写真が基本ですが、細かくて分からない場合は、立位静止姿勢で、左右前後から見て、肩や肩甲骨の位置が普通と変わってきているかを確認してみてください。

インナーマッスルと肩について正しい理解を

今回のポイント

  • 投げる動きではインナーマッスル・アウターマッスルどちらも大切
  • 肩の関節で大切なのは肩甲骨の位置と動き
  • 肩甲骨を正しい位置にするために押す・引く・挙げる・下げる動きをバランスよく取り入れる

肩の機能を改善するためには、インナーマッスルもアウターマッスルも大切な筋肉です。どちらかだけでなく、どちらもしっかり鍛えて、強くけがのしない肩を目指しましょう。