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スポーツに活かすべき、「脂質」と「コレステロール」のチカラ

こんにちは、パーソナルトレーナー兼、管理栄養士として活動している吉村です。

皆さん、脂質やコレステロールと聞くとどんなイメージを持ちますか?おそらく「体脂肪を増やす」「カロリーが高い」「生活習慣病の原因になる」などマイナスのイメージが多いと思います。

ですが、脂質が糖質やたんぱく質と並んで3大栄養素と言われるのは、それなりに重要な役割を持っているからなのです。

今回は脂質のなかの一種であるコレステロールについて解説していきます。なるべく難しい用語を使わないようにしたので、今までややこしくてわからなかったという人もぜひご一読ください。

コレステロールとは?

コレステロールとは、脂質の一種であり、動物性のステロールのことを言います。

この他にも脂質にはトリアシルグリセロール、リン脂質があり、栄養学的にはこれらにステロールを足した3つの総称が「脂質」となっています。

また、コレステロールのことを動物性のステロールと書いたのは、植物性の場合はエルゴステロールとシトステロールがあるためです。動物性の脂質と植物性の脂質は同じ脂質だとしても、中身が異なります。

どんな食べ物に多く含まれているのか?


↑卵や魚卵、内臓、乳製品に多く含まれる

コレステロールは動物性のステロールのことですので、動物性の食品には含まれていますが、中でも多いのが卵や魚卵、内臓を一緒に食べるような食品に多く含まれています。

健康診断や健康食品の効果などで、「コレステロール値が高い」「コレステロール値を下げる」といった表現をされ、コレステロールを悪者のように扱うことが多いため誤解されがちですが、コレステロールは不要なものではなく、健康な身体のために必要なものです。

コレステロールの役割


↑筋肉を増やす役割も

なぜコレステロールが必要なのか?その理由はコレステロールの役割にあります。

コレステロールは細胞の一番外にあり、細胞の形を整える「細胞膜」を作るために欠かせない成分であり、脂肪の消化吸収に必要な「胆汁酸」や、筋肉をつけ競技パフォーマンスを上げる「ステロイドホルモン」の材料になるなど適正量なら身体にプラスの影響を与えます。
(ちなみに、ドーピングで取り上げられているステロイドとは、このステロイドホルモンと同等あるいは強力な作用を持つ人工的に合成されたステロイドのことを指します。)

コレステロールが材料であるステロイドホルモンが不足すると全身の倦怠感などを感じるようになり、コレステロールに限らず、脂質が不足すると疲労の蓄積や貧血なども起こりパフォーマンスの低下にも繋がります。

女性アスリートは脂質・コレステロールに要注意!


↑女性アスリートは脂質・コレステロールに要注意!

また女性アスリートであれば、コレステロールの不足は生理不順や不妊症の危険性も高めてしまいます。

身体本来の正常な機能が働かないということは異常なことです。特に女性アスリートの場合、「生理不順になること=トレーニングをしっかりできている」というような認識を持っている方もまだまだいます。

女性アスリートに対しての正しい知識の普及も必要ですね。

コレステロールは1日どのくらい摂取すればいいのか?

数年前まで「コレステロールの摂り過ぎは良くない」とされ、摂取量に上限値が設けられていました。

ですが、厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準2015年度版」から、コレステロールの上限値が撤廃されています。

実はコレステロールは体内でつくられる

実はコレステロールは体内で合成できる脂質であり、体重50kgの人で600~650mg/日程度が生産されています。食事によって摂取されたコレステロールは40~60%が吸収されますが、個人差が大きく、遺伝的背景や代謝状態にも影響されます。

このように実際は食事から摂取するコレステロールは体内で作られるコレステロールの1/3~1/7を占めるに過ぎません。

体内で一定に保たれるように「フィードバック機構」が働く


↑コレステロールは体内でコントロールされている

また、コレステロールを多く摂取すると肝臓でのコレステロール合成は減少し、逆に少なく摂取するとコレステロール合成は増加し、身体の末端への補給が一定に保たれるように「フィードバック機構」が働くようになっています。

そのためコレステロール摂取量が直接血中総コレステロール値に反映されるわけではないため、上限値が撤廃されました。

このように上限が撤廃されたことにより、「コレステロールを意識しなくてもいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、コレステロールには量だけでなく質の面でも気をつけることがあるのです。

コレステロールの質


↑善玉と悪玉を考える

コレステロールについて皆さんがよく耳にするのは、「悪玉コレステロール」と「善玉コレステロール」という言葉だと思います。

悪玉コレステロールとは

悪玉コレステロールとは、「LDLコレステロール」のことで、肝臓で作られたコレステロールを抹消組織に運ぶ役割を持っています。

抹消組織で吸収できないくらいコレステロールの血中濃度が高いと、動脈硬化症や脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病になるリスクが非常に高くなります。

また、アスリートであれば心臓や脳への血流量の低下によるパフォーマンスの低下にも繋がりかねません。

善玉コレステロールとは

一方、善玉コレステロールとは、「HDLコレステロール」のことで抹消組織のコレステロールを肝臓に運び、胆汁酸として体外へ排出する役割を持っています。

善玉コレステロールと悪玉コレステロールは反対の作用を持っているので、善玉コレステロールを意識して摂取することで悪玉コレステロールが原因で起こる疾患などの予防に繋がります。

何が善玉コレステロールと悪玉コレステロールに影響するのか?

善玉コレステロールによって生活習慣病が防げるのなら善玉コレステロールを増やすような食事をしたいですよね?

ではどんな食事が善玉コレステロールを減らさない、善玉コレステロールを増やすための食事なのでしょうか?

コレステロールの質を決めるのは脂肪酸の種類


↑飽和脂肪酸はLDLコレステロールの増加につながる

コレステロールの質を決めるのは、脂質、さらに言えば脂肪酸の種類です。

脂質はグリセロールと脂肪酸でできており、この脂肪酸の種類によってLDLコレステロールとHDLコレステロールの血中濃度は影響を受けます。

脂肪酸は大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類され、ラード(豚脂)ヘッド(牛脂)などに多く含まれる飽和脂肪酸はLDLコレステロールの増加につながります。(食べてはダメではなくバランスが大切です)

善玉を減らさず、増やすためには不飽和脂肪酸を!

逆に、不飽和脂肪酸であるオリーブオイルなどに多く含まれるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸に分類され、LDLコレステロールを減少させ、HDLコレステロールを減少させない働きがあります。

そして、不飽和脂肪酸のなかでも「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれるイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)は油を多く含む魚に多く含まれ(サバやサンマなどの青魚)、HDLコレステロールを増加させ、動脈硬化の予防につながるのです。


↑青魚に多く含まれるEPAとDHA

また、とうもろこしや大豆などの植物性の油にも不飽和脂肪酸は多く含まれ、LDLコレステロールを減少させる働きはありますが、摂り過ぎるとHDLコレステロールも減少させてしまうので注意が必要です。

このように脂質に含まれる脂肪酸の種類によってコレステロールの質は変わります。日頃から脂質の摂取量が多い選手は脂質の量を調整すると同時に、質も変えていくことを考えていきましょう。

まとめ

今回はコレステロールについてメインで書いていきましたが、脂質にも様々な種類があり、その性質をしっかりと知り、必要量をきちんと摂取することが大切になります。

脂質やコレステロールにマイナスのイメージをお持ちの方は、これを機に正しい知識を入れてみてください。