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【日本人の弱点?】「フィジカル」とはなんなのか


↑スポーツで使われる「フィジカル」とは?

こんにちは、スポーツトレーナーや、コンディショニングコーチとして活動している山田です。

みなさんは「フィジカル」という言葉を聞いたことがありますか?
よくサッカー日本代表の試合などで「今回の敗因はフィジカルの弱さが問題だった」といった使われ方をします。

このように、スポーツにおいて「フィジカル」という言葉を耳にされた人は多いと思います。

なんとなく「フィジカルの強化がスポーツの向上につながる」というのは誰でも思うところではありますが、実際のところ「フィジカル」にも曖昧なところがあり、いくつかの問題があることを理解しなければなりません。

今回はフィジカルとは何か、そして日本選手と海外選手のフィジカルの違いなどについて解説したいと思います。

フィジカルの意味とは?


↑フィジカルとは何なのか?

本来、「フィジカル」とは肉体や身体のことを意味します。

サッカーやラグビー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツにおいて指導者や選手が“フィジカルが強い”というような表現をしますが、ここで一般的に使用されるフィジカルは恐らく、身体が強い・倒れない・競り負けない・バランスが崩れない、など主に身体の強さ、「フィジカルコンタクト」を意味しています。

ラグビーやサッカーの日本代表戦などで外国人選手にフィジカルで負けたという言葉を耳にしますが、それは以下のようないくつかの理由が考えられます。

  • 体格の大きさ(身長や体重)
  • 最大筋力(筋量の多さや筋組成)
  • 姿勢(身体重心の位置や姿勢を保持する筋力)
  • 身体能力(関節可動域、柔軟性、関節の安定性)
  • コンタクトスキル(身体のあたり方、かわし方)
  • 競技スキル(正しい競技スキルの習得)
  • ボディコントロール(身体を調整する力)
  • メンタルタフネス(恐怖心やプレーに対する強い心)

しかしながら、フィジカルコンタクトの強化において難しいのは、これらの評価が困難なことです。

フィジカルは数値として評価できない


↑フィジカルは数値として評価しにくい

体格の大きさや筋力、身体的能力などは評価、数値化できますが、スキルやメンタル面などは数値化することが困難なため、どの選手がどれくらい強いという個人評価や他者との評価が難しいのです。

数値化できなければ、どのくらいの能力が必要なのかという基準となる指標も作れないため、目標設定もできません。

選手としてはただ「フィジカルを強化しろ」と言われても何を目指してよいかわからないというのが現状ではないでしょうか?

対戦相手の実力によっても変わる


↑対戦相手の実力によって変わる

また、フィジカルが向上したとしてもその変化を選手や指導者の主観に頼ることになり、パフォーマンスが変わってもコンタクトをする相手の能力に結果が左右されてしまうため、正しく評価されないということも起きます。

いくらその選手のフィジカルが強くなったとしても、相手がそれ以上に強くなっていれば、変わっていないという評価になってしまいますし、能力が変わっていなくても、相手が弱ければフィジカルが強くなったという矛盾した評価に変わってしまいます。

選手が試合後に口にする「フィジカルで負けた」という言葉は選手が実際試合をして得た主観的な意見です。実際のところ、選手自身も何が原因なのかをわかっていないことが多いのではないでしょうか?

日本人がフィジカルという曖昧な言葉一つで様々な要因を評価してしまうのは、あまりにも雑なように思えます。フィジカルはもちろん大切な要因ではありますが、指導者はこういった問題点があることを理解しておかなければなりません。

日本人選手と外国人選手のフィジカルの差を埋めるためには


↑日本人と外国人のフィジカルの差とは?

ここでひとつよく話題に挙がる“外国人と日本人のフィジカルの差”について考えていきたいと思います。

日本人選手の多くが体格(身長や体重)で劣るのは、見た目からでも明らかです。だからといって体格が同じになればフィジカルも同じレベルになるとはいえません。

また、スポーツの現場でよくある“フィジカルが弱い=筋力トレーニング”というような考え方にも注意が必要です。なぜなら筋力が強くなったからといって必ずしもフィジカルが強くなるとは限らないからです。

先に述べたようにフィジカルの強さはひとつだけの要因が起因しているのではく、様々な要因を考慮しなければなりません。

長期的な視点でのフィジカル強化


↑長期的なフィジカルの強化

世界に向けて日本人がフィジカルにおいて強化すべきことは、第一に、ジュニア世代からその年代にあったフィジカルトレーニングを実施していくことであり、小手先だけのスキルを習得するのではなく、長期的な計画を立てフィジカルの強化を実践していくことです。

フィジカルの問題に向き合うこと


↑フィジカルの問題から逃げない

第二にフィジカルが弱いという現実から逃げないこと。フィジカルが弱いからといって他の要素(スピードや敏しょう性や戦術など)で戦って勝てばいいという考え方ではなく、世界と戦うならフィジカルという弱点をそのままにしておくのではなく、フィジカルも含めすべての要素で勝つための努力が必要だという考え方を持つことが重要です。

各種トレーニングをバランスよく取り組むこと


↑バランスよくトレーニングに打ち込む

第三に、スポーツにおいてのフィジカルは、今回取り上げたフィジカルコンタクトだけを指すのではなく、各競技において必要な体格(身長、体重、筋肉量など)及び体力要素(筋力、持久力、敏しょう性、平衡性など)だと考えるべきです。

したがって各競技スキルで必要なフィジカルが変わってくるということを理解し、選手はメンタルを含め各種体力トレーニングを実施すること、また競技スキルを強化することがフィジカルの強化につながるということ忘れてはいけません。

競技特異性によって体力トレーニングおよび競技練習のパフォーマンスへの貢献度は違いますが、双方とも強化すべきプログラムだということには間違いはないということです。

目的を明らかにし、選手と指導陣が一丸になること


↑チーム一丸となって取り組む

第四に、そのうえで各競技においてどのようなフィジカルを強化すべきかを明らかにし、監督やコーチ、S&Cコーチ(Strength and Conditioning Coach)、そして選手が連携して強化に取り組んでいかなければなりません。実際、選手の主観と指導者の考えが必ずしも一致するとは限りません。

指導者同士においてもそれぞれで考え方が変わってきます。監督、コーチがどのような動きを求めるのか、それ応じてS&Cコーチがどのようなトレーニングを行うのか、そして選手が理解して行っているのかそれぞれが共通の意識を持つことが重要です。

フィジカルの強化はアスリートにとって当たりまえのこと


↑何が問題なのか見つけてすばやく対処する

よく言う「フィジカル」で使われる意味のフィジカルコンタクトも様々な要因から成り立つもので、そのフィジカルコンタクトもフィジカルの要素のなかのひとつです。

このように複雑に絡み合っている要素のなかから、何が問題なのか・そこをどう解決すべきなのかを見つけることが重要です。

またフィジカルの強化は、各体力レベルを挙げること、また競技に必要なスキルを身につけることであり、それはひとつひとつのトレーニングや練習をしっかり実践することを意味します。これはアスリートにとっては当たり前のことではないでしょうか?

フィジカルは一朝一夕で身につくものではありません。だからこそ、「フィジカルが敗因だ」と感じたら、無駄なく最短で結果を出せるよう問題点を徹底的に洗い出し、チーム一丸となって解決していきましょう。