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最高の集中状態「ゾーン」に入るための「ピークパフォーマンス分析」【メンタルトレーニングNo.7】


ゾーンを作り出す方法とは

前回から、スポーツ選手が試合中に自分をコントロールするための方法論のお話をしています。いわゆる「ゾーン」や「フロー」と呼ばれるベストな心理状態に持っていく方法ですね。

しかし「ゾーンやフローって言われても、自分のことになるとよくわからない!」という人はとても多いようです。

そこで今回は、「ゾーン」や「フロー」状態に入ったときの自分をよく知るための「ピークパフォーマンス分析」について考えてみようと思います。

ピークパフォーマンス分析とは

これまでの試合の中で一番調子のよかったときを思い出して、それを分析することを「ピークパフォーマンス分析」といいます。


一番よかったときを思い出そう

自分の中で「最高のパフォーマンスができた」と思う具体的な試合を1つ(2つでもそれ以上でもOK!)思い浮かべたら、その時を細かく振り返っていきます。もし1試合通して調子がよかった時が思い浮かばなければ、最高のプレーができた「瞬間」でもよいので思い出してみましょう。

思い浮かんだら、下の3つのポイントを振り返り、ノートに書き出していきましょう。

  • その試合は自分にとってどんな試合だったのか
  • 試合前、試合中の自分の心、頭、体の状態
  • その時の周りの状況や自分がしていた行動、前日の出来事など

書き方に決まりはありません。とにかく書いていくことが大事です。

POINT1「その試合は自分にとってどんな試合だったのか」


プレッシャーのかかる試合だったか?

その試合には「プレッシャーがあったかどうか」「それはなぜか」といったことや、「その試合での自分の目標が何だったか」などを振り返ってみましょう。

たとえば、「大会直前の練習試合、『まだ本番じゃない』という感覚だったからプレッシャーはまったくなかった。」「試合に勝つことも重要だったけれど、ケガをしない程度にコンディションを整えることの方が大切だった」といった具合ですね。

一般的に、重要な試合ではないときの方が調子がよいという傾向があります。プレッシャーがあまりない状態の方が調子が出やすいということですね。

POINT2「試合前、試合中の自分の心、頭、体の状態」 


試合前や試合中の自分を分析する

「心」は言い換えるならその時の感情です。「楽しかった」のか、「うれしかったのか」を思い出してみましょう。

「頭」はその時何を考えていたのかということ。心とは少し違います。例えば、「対戦相手の弱点を分析していた」、逆に「頭の中に何も浮かんでこない状態だった」とか、そういったことになります。

「体」はその時の自分の体がどうだったかです。何となく軽い、重いというだけでなく「肩が柔らかかった」とか、「体は軽いんだけど、足だけは重い感じで地に足がついていた」など、体の部位にも注目して振り返りましょう。

POINT3「その時の周りの状況や自分がしていた行動、前日の出来事など」


自分以外のことにも目を向けよう

これらは、どちらかというと自分以外のことについてです。

「普段厳しいコーチが試合だと厳しいことを言わなくなるのでのびのびできた」
「チームメイトの一言で安心できた」
「いつも応援に来てくれる家族がたまたま来られなくて逆にプレッシャーを感じなかった」
「前日のテストでいい点を取ってテンションが上がっていた」、などです。

「試合前にこんな曲を聞いた」といった自分自身の行動も、忘れず振り返ります。
パフォーマンスに影響した可能性がありそうなものは、思いつく限り書いてみましょう。

また、ネガティブなことが実はプラスに働いていたということもあり得ます。
実際に僕はパフォーマンス前に十分な準備ができなかったとき、追い詰められて逆に集中できたという経験がありますし、ある陸上選手が病気になりながらも自己ベストを出したという事例もあります。

ちなみにこの時の選手の心理状態は「自分のパフォーマンスをいかに発揮するか」ということ以外は全く考えられない状態だったそうです。つまり自分のプレー以外に一切雑念がない状態だったともいえます。

「ゾーンへの入り方」だけじゃない。分析はいろんな場面で役立つ


自分を分析し、試合に役立てる

ここまで説明してきたとおり、何が自分のパフォーマンスにプラスに働いているのかはわかりません。「ただのゲン担ぎにしかならないだろう」とバカにせず、しっかり振り返って書きましょう。

この分析は調子が悪かったときを思い出して行うこともあります。そうすることで、試合前の心理的コンディショニングに役立てることもできます。ただしシーズン中や大事な試合前には控えておいた方がいいでしょう。

ということで、今回はピークパフォーマンス分析についてお話しました。
こうして振り返ることで、自分をどのようにコントロールすればよいのかが分かりますし、イメージトレーニングをしようとした時に思い浮かべるイメージの材料にもなります。

もし「現時点では全く思い浮かべられない、試合時の記憶がない」という人は、これからの試合で意識をしていくことから始めてみてください。

▼続きはこちら

<参考文献>

 スポーツメンタルトレーニング教本

   大修館書店,2002年,日本スポーツ心理学会 編