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チームを引っ張るリーダーの「2つの魅力」【新キャプテン育成塾vol.1】

この記事は2016.6.24に公開した記事に加筆・修正を加えたものです。

グラウンドでミーティングを行うサッカーチーム
チームを引っ張るリーダーになるには?

こんにちは,河津です。今回の連載は新たにキャプテンに抜擢された「新キャプテン」のための「チームワーク」「スポーツメンタル」についてのお話です。

第一弾のこの記事ではチームを引っ張るために必要なリーダーの魅力についてお話しします。

私の大学院生時代の研究テーマが「チーム」や「チーム内での対人関係」「チームワーク」だったのでその時の自分の研究内容が話題の中心となります。もしかしたら少しだけ小難しい話になってしまうかもしれません......。

できるだけ簡単にお話ししようと思いますので、ご興味がある方、お時間のある方は、じっくり読んでみてください!!

人はどんな人に魅力を感じるのか?

はじめに、人が自分以外の誰かに対して魅力を感じるメカニズムについてお話ししましょう!

人が他人に魅力を感じる時、その感じ方には大きく分けて2つの種類があるといわれています。

1つは「個人的魅力」の過程、もう1つは「社会的魅力」の過程です。

机の上で手を組む男性
魅力の感じ方には2つの種類がある

個人的魅力の過程

個人的魅力の過程とは、その人の容姿や個人的な特性、その人との個人的な対人関係を経て魅力を感じることです。

簡単に言うなら、「こいつといると楽しいな~」とか、「こいつとはなんか気が合うな~」というようなものです。この時感じる魅力は、他の誰かで交換できるものかと言えばそうではありませんね。

社会的魅力の過程

社会的魅力の過程とは、自分が何かの集団に所属していることが前提で感じる魅力のことです。

この記事を読んでいる皆さんも、現在もしくは過去に何かの集団に所属し活動していたと思います。学生の頃の部活動、会社のプロジェクトチーム、ダンスやピアノレッスンのクラスなどです。

それぞれの集団で活動している時、皆さんはその集団で求められるものをより多く、より強く持っている人に魅力を感じませんでしたか?

サッカーチームにいるのであれば「サッカーのうまい人」、会社のプロジェクトチームであれば「プロジェクトに多く貢献している人」などです。この時感じる魅力は他の誰かでも交換可能ですね(例えばサッカーのうまい人はチーム内に何人もいるでしょう?)。

それぞれの魅力を言葉にすると?

バレーコートの脇に立つ女性選手
人を惹きつける魅力

前者の魅力を言葉にするなら「親近感」や「好意」、後者の魅力は「尊敬」や「信頼」といったところでしょうか?

この2つの過程はかなり意味合いが違ってきますが、どちらも人を惹きつけるものには違いありません。

チームリーダーはチームの状況とメンバーの認知を深く考えよう!

リーダーの立場になった方は、ご自分で理想とするリーダー像を持たれていると思いますが、それも上記の2つの種類に大別できると思います。もちろんどっちも持っているというのもありですね。

個人的にはどちらの魅力もないということはチームリーダーとしてはあり得ないと思っています。

「メンバーに嫌われてもかまわない!!」なんて思っている方は、前者の「親近感」や「好意」は持たれなくてもかまわないという意味ならありですが,さらに「尊敬」も「信頼」もされないのは違いますよね。

このように、リーダー像は様々ですが、それがはまるかはまらないかはリーダー自身の資質ではなく、実はチームの状況やメンバーの認知、成熟度の方が重要になるんじゃないかな?と私は自らの研究の中で考察しています。

なぜなら、人が他人に抱く魅力というのは、状況(の認知)に左右されてしまうからです。

魅力は状況に左右される

例えば「仕事ではとても頼りになって魅力的な上司なんだけど、飲みに行くのはちょっとね~......」なんてこともありますよね。

仕事の状況になればとても魅力を感じる上司なのですが、プライベートの状況になると全然楽しくないから魅力がなくなってしまうという場合です。

では、それが「仕事について話があるから飲みに行こう」と言われたらどうでしょうか?おそらく誘われた側は、飲みの場であるとはいえ、その状況を「仕事の延長」と認知するでしょう。その場合は、少しは行く気になるんじゃないでしょうか?

このような状況や認知の影響を考えると、リーダーは自分の理想とするリーダー像を体現するだけではチームのメンバーを惹きつけることは難しいでしょう。

チームを引っ張っていくためには?

野球チームのキャプテンが、そのチームを強くするために知識や技術を磨き、メンバーを引っ張っていこうとしても、メンバーが「強くなるため」ではなく、そのスポーツを「単に遊びとして楽しもうとしている」状況ではどうでしょうか?

チームでの活動は単なるプライベートの遊びとしてしか認識されず、メンバーはそんなキャプテンの「社会的魅力」を十分に感じることができないかもしれません。

その場合は、無理やりにメンバーを引っ張っていこうとしても余計に離れていってしまうと思います。この場合は、時間はかかるかもしれませんが、まずチーム自体を「野球で勝つために活動しているチーム」だとメンバーに認識させ、チームとして少しずつ成長させる必要があるように思います。

それまでは、メンバーとプライベートで遊びに行ったりして個人的な魅力でただ仲良くなるのも、メンバーを惹きつけるために必要かもしれませんね。

個人的に仲良くなることは有益か?

集合写真をとるアルティメットのチーム
メンバーと個人的に仲良くなることはいいこと?

ところで、個人的魅力と社会的魅力の魅力を両方感じることも多々あることなのですが、この2つの魅力は影響し合わないのでしょうか?

私の研究では"影響しあう"という結論に至りました。

特に、学生のスポーツチームなど、チームのメンバーがチーム活動以外でも個人的な交流を活発にする可能性のあるチームほど、その影響が強いように思われます。

社会人のスポーツチームや、会社でのプロジェクトチームではチームでの活動以外でそれほど個人的な対人関係を持つ機会は多くありません。

チームの親睦会と言ってもあくまでチームの活動になりますので、こういったチームでは個人的魅力を感じる場自体があまりなく、社会的魅力がとても重要になってくると思います。

しかし、学生チームとなると、授業や学生生活の中で頻繁にチームのメンバーと個人的な対人関係をもつ可能性が多くなります。そうして個人的魅力が大きくなってしまった場合、良くも悪くもチーム活動の中の個人の行動に影響を与えることが考えられます。

例えば、チームが勝つことを考えるとそのメンバーはスタメンから外すべき(つまり社会的魅力は低い)なのに、普段仲が良すぎてその決断ができなくなるなどが良い例でしょう。

"どのような状況で、どのような影響があるのか"は、正直複雑すぎてよくわかっていませんが、あくまでチームをより成熟させ、より高い結果を出すためには、個人的魅力を高くしすぎるのは得策ではないかもしれませんね......。

チームの状況を把握し、立ち振る舞いを選択しよう

このように、リーダーがチームメンバーを引き付ける力には種類があり、それらはチームの状況やその状況をメンバーがどう認知しているかによって、効果がある時とない時が出てきてしまいます。

リーダーはこのことを深く理解しておくことで、チーム内での立ち振る舞いをより良く選択していくことができるでしょう。

▼次回記事はこちら

参考文献

・集団凝集性の社会心理学: 魅力から社会的アイデンティティへ
   北大路書房,1994年,M.A.ホッグ 著 : 広田君美 監訳