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最高の集中状態「ゾーン」を理解するための「逆U字仮説」とは?【メンタルトレーニングNo.6】


ゾーン状態に自分をコントロールする

前回まで、選手が日ごろの練習でやる気を高めるため、目標設定の話をしてきました。今回からは、選手が試合のときに最高のパフォーマンスを発揮するための自己コントロールの話をしていきます。

まずは、自己コントロールの基礎を学びましょう。

▼前回のおさらい

ゾーンやフロー状態になるための「逆U字仮説」

みなさんは試合中、体の調子がとてもよく、やる気もマンマン、なんでもできるような感覚になったことはありませんか? 

そういった状態は「ゾーン」や「フロー」などと呼ばれており、スポーツ選手が試合中に目指すべき理想の心理状態といわれています。

しかし、いつもその状態になれるとは限りません。緊張しすぎて体がガチガチになったり、緊張感がなさ過ぎて注意が散漫になったり、緊張のコントロールが適切にできないと理想の心理状態になることはできません。

とはいうものの、調子が良かったときと悪かったとき、自分の体や心の状態をよく把握できていない人がほとんどですね。


選手にとって最高の状態『ゾーン』は、この真ん中部分。

そんな時に役立つのがこの「逆U字仮説」の図。逆U字仮説とは、選手が感じる心や体の緊張・興奮の度合いと、実際のパフォーマンスの関係を表した仮説です。

縦軸はパフォーマンスの良し悪しを表しており、上に行くほどパフォーマンスがよくなります。横軸は体や心の緊張の度合いを示し、右に行くほど緊張しているということになります。

試合後、この図を見ながら自分の緊張の度合いやパフォーマンスを振り返ってみると、自分がどんな時にどんな状態になるのかが把握しやすくなります。

ぞれぞれの状態を見てみよう

ゾーン,フロー状態

上図の真ん中、理想的な心理状態。緊張感は高すぎず低すぎず、ちょうどいい時です。この状態の選手が体験する心理状態や現象として、

  • 万能感(全てをコントロールできる感覚)
  • 自己意識の喪失(自分が自分で無くなったような感覚)
  • 時間感覚の変化(例えば「ボールが止まって見える」ような感覚)
  • 体の動きの自動化(考えなくても勝手に体が動く)
  • 高い自信

などが報告されています。

緊張が高すぎる「あがり」

よく、「あの選手あがってるな~」などということがありますが、まさにそれが上図の右側の状態です。緊張が高すぎる、いわゆる「過緊張」の状態。

  • 「あせり」
  • 「不安を感じる」
  • 「体が硬くなり思うように動かない」
  • 「心臓のドキドキが強い」
  • 「すぐ疲れを感じやすくなる」

などが兆候として見られます。

緊張が低すぎる「さがり」

あがりの逆、上図では左側の状態です。「大事な試合なのに、なぜが試合直前になっても緊張感がなく、気乗りがしない」という経験はありませんか?「さがり」には、

  • 「試合に対する注意が散漫」
  • 「やる気・闘争心がない」
  • 「体がだるい・重い」

などの兆候があります。

自分の状態を知ってコントロールしていこう

いかがでしたでしょうか?

自分がどんな時にどんな状態になりやすいのかを自己分析したうえで、「あがり」のときは緊張感を下げる方法を、「さがり」のときは緊張感を上げる方法を使って自分をコントロールし、理想の心理状態に近づけることが、自己コントロールスキルの基本的な考え方になります。

次回は実際に「ゾーン」に入るためのコントロールスキルについて解説していきます。

▼続きはこちら

<参考文献>
スポーツメンタルトレーニング教本
   大修館書店,2002年,日本スポーツ心理学会 編
公認スポーツ指導者養成テキスト 共通科目Ⅲ
     日本体育協会,2015年,日本体育協会 編