close

無料会員登録

MUSTERに会員登録すると、あなたに合わせたコンテンツが
自動的に配信され、日々のスポーツに関する悩みを専門家に相談できます。

利用開始をもって《利用規約》
《プライバシーポリシー》
同意したものとみなします。

close

ログイン

パスワードを忘れた方はこちら

専門家がこたえる
スポーツメディア

MENU

【全てのトレーニングのいいとこ取りをする】NFLに最も近い日本人プレーヤー「栗原嵩」

アメリカンフットボールとは?

日本ではあまり馴染みのないマイナースポーツである「アメリカンフットボール」、通称アメフト

しかし発祥の地であるアメリカ合衆国では、野球やバスケットボールなど、他のどのメジャースポーツよりも人気のスポーツであり、そのトップリーグであるNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のプレイヤーは全米から選び抜かれた究極のトップアスリートである。

今回はそんな究極のアスリートたちが集うNFLに挑み続け、日本人さらにはアジア人で最もNFLに近い男として知られるアメフトプレイヤー「栗原嵩(くりはら たかし)」氏に “学生や社会人プレイヤーに伝えたいこと”をテーマにお話を伺った。

パワー・瞬発力・スピード・敏捷性、あらゆる運動能力が求められるアメフトのトップ選手として活躍する栗原氏、アメフトプレイヤーの方はもちろん、他のスポーツ選手の方もぜひ参考にしてほしい。

トップアメフトプレイヤー「栗原 崇」のバックボーン

ーーお時間頂きありがとうございます。早速ですが、NFLを目指し日本でもトッププレイヤーとして活躍する栗原さんを形作るバックボーンについて伺いたいと思います。アメフトはいつから始められたんですか?

高校からです。小学校では水泳と野球、中学ではバレーボールと陸上をやってました。やるスポーツをコロコロ変えてますね(笑)

ーー高校でアメフトを選んだ理由はなんだったんでしょうか?

元々は高校ではラグビーをするつもりだったのですが、中学生のときにNFLの決勝のスーパーボウルの中継をたまたま見て、アメフトの格好良さに心を惹かれそちらを選びました。

アメリカでは超人気スポーツのアメフトですが、トップ選手でも高校からスタートすることが多いため、プロになる上で時間的ハンデがないのも選ぶ理由のひとつでしたね。

ーーアメフトを始める上で最初からプロになることを考えていたんですか?

そうですね、なかなか珍しいタイプですが(笑)

また、他の選手も最初は「プロになる」と意気込んで練習したりするんですが、やっぱり皆どこかで現実に気付くんですよ「自分にはムリだ」って。

僕は変わり者だったので、「ムリだ」とは思わなかったんです。
他の選手に「お前ならイケる」とか、高校時代の黒人のコーチに「お前は絶対アメリカでプレーをするから頑張れよ」って言われてて頭に擦り込まれてましたね。

大学でアメリカに留学してプレイするなどの選択肢を当時は持たなかったため、海外でのプレイ経験はありませんでしたが、自分でも信じてましたし、周りからの言葉にも影響されてなおさら前向きになってましたね。

栗原氏の体験したアメリカのレベル

ーー実際に海外でプレイされて、壁に感じたことなどはありましたか?

スキルや運動能力的な壁は感じなかったです。

おととしと3年前に実際にNFLのキャンプに招待されてプレイしてきたんですが、3年前は僕のパフォーマンスも絶好調で基本的には全部通用しましたね。

キャンプなんで、スタープレイヤーは参加していなかったですが、その他のプレイヤーのなかで通用することができたのは、自分のアメフト人生での努力が実ったように感じて嬉しかったです。

唯一壁に感じたのは、アメリカでのプレイ経験がなかったこと....。

アメリカ人のコンタクトとかはやはり次元が違うので、その部分で監督やコーチ陣から心配されることが多かったです。

”練習では問題なくても、試合で本物のヒットを受けたときにどうなるのか?”など不安に思われたり、アメリカでの実績がないことが壁になりました。

ーーやはり今までのプレイ実績も評価の基準として重要なんですね。

そうですね。ですが、アメリカは実績がなくても結果を出せば評価をしてくれる国でもあるのでそういった面ではチャンスはあります。

実際3年前は正式にオファーを受けて90人のサマーキャンプにも呼ばれました。ビザがなかったことやエージェントがいなかったこと原因で結局ダメになってしまいましたが。そのチャンスを逃したのは痛かったですね〜(笑)

ーープレーは通用しても、その他の点でチャンスを不意にしてしまったと...。

そうですね、プレーが通用したことである程度納得はできました。通用する部分とか、足りない部分も把握できましたし...。

ですが最終的に契約できなかったのは悔いが残りましたね。

NFLはアメリカ全土からスキルもパワーもスピードも最高のトップアスリートが集まってくるリーグ。日本人、ましてやアジア人ですらプレーしたことがないのでやはり道は険しかったです。

ーーやはり日本人やアジア人だと、ヒット面などで体格的に不利な面があると思います。その点レシーバーはポジション的にヒットが少なく比較的NFLで挑戦しやすいポジションと言えるのでしょうか?

そうですね、他にもあるとは思いますが、特にレシーバーはヒットが少なくプレイヤーの数が多いポジションなので、狙いやすいポジションだと思います。

レシーバーは”背が高い”とか”背は低いけど足は速い”などの様々なタイプのプレイヤーがチームに置かれるので、やはり可能性が高いと言えますね。

NFLを目指す栗原氏のトレーニング

ーー実際にアメリカでプレイして様々な課題を持ち帰ったと思いますが、その課題をどのように解決していますか?

なによりもアメリカでのプレー実績がないことが問題だったので、まずはアメリカに拠点をおいてトレーニングしたり練習することでアメリカのサイズやスピードに慣れていきました。

また、僕の所属する日本のIBM Big Blueにはアメリカ人の上手いクォーターバックがいるので、日本でもいい勉強になります。

日本とアメリカを行き来し、アメリカのレベルのプレーに慣れつつも、日本でしっかり試合をして結果を出すようにしていました。

僕は試合で結果を出すためには、試合の場数を踏むことが一番だと思っているので、そこはブラさず最重要視していましたね。

ーーNFLで通用するほどの身体能力を持つ栗原さんですが、本格的にNFLを目指したトレーニングを開始したのはいつからだったんでしょうか?

本格的にプロを意識してトレーニングを始めたのは大学3年の頃からです。スタートしたのは3年の頃からですが、実際に効果が現れてきたのは大学を卒業してからですね。

ーー特に学生のプレーヤーが気になるところだと思うのですが、具体的にはどんなトレーニングを行っていますか?

どんなトレーニングでも取り入れてますね。僕は基本的にトレーニングに対して固定観念などはないので、ウェイトトレーニングはもちろん、ボディビルダーのように肥大化させるトレーニングやクロスフィット、パワーリフト、ヨガなどなんでも取り入れています。

ーー様々なトレーニングのいい取りをしていくということでしょうか?

そうですね、結局どんなトレーニングにもそれぞれ特徴やメリットがあります。例えばボディビルダーのトレーニングは身体を大きくして重いものを扱えるようになりますし、クロスフィットは心肺機能の向上が図れる。

僕はアメフト選手なので、メインはアメフトの競技力を向上させる機能的なトレーニングを行いますが、2週間に一度はボディビルダーが行うような、ゆっくりした動作のトレーニング(スロートレーニング)や高回数で筋肉をパンプアップさせるトレーニングを行っていつもと違う刺激を与えるようにしています。

他のスポーツのトッププレイヤーが”このトレーニングは良くて、このトレーニングはダメ“と言っていることがあるんですが、僕は挑戦する舞台が日本人では誰も達成したことのないようなレベルなので、固定観念に囚われずにあらゆることに取り組みました。結果もいい方向に進みましたね。

人のトレーニングを参考にするのもいいですが、やはり個人差があるので自分で試して自分に合ったトレーニングを見つけることが大切だと思います。

現在アメフトをプレーする学生・社会人のプレイヤーに向けて

ーー日本のアメフトトッププレイヤーとして活躍する栗原さんですが、学生のプレイヤーに向けてメッセージはありますか?

まず学生のプレイヤーに対しては、アメフトを辞めないとできないような「やりたいこと」がないかぎり目的を持ってプレーを続けて欲しいです。

日本でのアメフトはなんだかんだ言って小さい世界です。野球やサッカーに比べたらプレイヤー人口は非常に少ないので...。
僕はそんな小さな世界のなかで活躍できない奴は、社会人になってビジネスの世界出たときに活躍できるわけがないと思います。

結局、「やると決めて、目標を立てて、頭を使って努力して、やりきる」というプロセスはどこの世界でも変わらないので。

別に日本のアメフト界でトップになれと言ってるわけではなく、例えば「地区でNo.1のチームになる」とか「チームのNo.1プレーヤーになる」とか、「レギュラーになる」とかもっと小さいことでもいい。

せっかくアメフトという、コンタクトもあってランもあるキツいスポーツをやるんだから、ただやるだけでなく、目的や目標を持って取り組んでほしいです。

ーー社会人のプレーヤーについてはいかがでしょうか?

これは学生のトッププレイヤーにもいいたいことなのですが、やはりどんどん世界に向けて挑戦して欲しいです。
僕は「誰も成し遂げてないことを達成する、そして例え達成できなくても何かの結果を残す」ということが人生で重要なことだと考え、NFLに挑んでいます。

まだNFLで契約は取れていませんが、僕がNFLに挑戦する過程では、”メディアに取り上げられアメフトの認知度が向上する”ことや、”後輩となるプレイヤーの指針になる・道を作る”ことはひとつの結果として成果になっていると思います。

やはりトッププレイヤーがリスクをとって挑戦して、何か結果を残していかなければ日本のアメフトは変わらない。今、日本のアメフト界で活躍しているプレイヤーは、リスクをとって挑む資格があり、また義務でもあると思います。

そして、僕が本気でNFLを挑むことを決意したときよりも、上手いプレイヤーは日本にいます。そんな人が僕より頑張ってトレーニングしたり、効率よくトレーニングしたりすれば必ず結果は残せる。

僕もアメフトで飯を食っていくと決めたときには、勤めていた会社を辞めるなど、覚悟が必要でしたが、動かないとチャンスはこないので、ぜひトッププレイヤーの方は動いて欲しいですね。

ーー今、全国で行われているクリニックもそのメッセージの表れでしょうか?

そうですね。僕の後に続き超えていくプレイヤーを育成するため、日本のアメフトのレベルを底上げするために、クリニックで指導を行っています。

ーークリニックで行っていることは内容はNFLでは常識となっているものでしょうか?それとも栗原さんが独自に培ってきたものでしょうか?

両方の要素も強いです。

僕自身もやはりNFLのキャンプに行ったときからプレーのレベルが上がりました。キャンプで身につけた内容はもちろん伝えますが、僕の実戦経験から培ってきたポイントも選手のレベル関係なく教えています。特に運動能力に関係なく身につけて実戦できる内容がメインですね。

やはり今日本でマイナースポーツであるアメフトを変えるには、世界に挑戦してその技術や体験を持ち帰り伝えることがなによりも大切です。

今年は僕個人がNFLを目指す活動とともに、日本のアメフト界の発展を目標とした活動も続けていきます。

ーー今後もご活躍を期待しています、本日はありがとうございました。