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栄養のプロが語る一般人に多い食事に関する勘違い10選

栄養のプロが語る 一般人に多い食事に関する勘違い10選

世の中は膨大な情報に溢れ、
「◯◯が効果がある! 」
「これだけ食べれば大丈夫!」
といった、真偽も定かではない情報に、人々は振り回され続けている。
情報を盲目的に信じる前に、少しだけ落ち着いて考えてみよう。
その情報は本当に正しいか?あなたにとって必要な情報か?

「情報弱者」とは、知識が少ない人間を指すのではなく、流れてきた情報を盲信し、正しいことを知ろうとする姿勢がない人間のことを指すのではないだろうか。
今回は管理栄養士でアスリートから一般人まで幅広く栄養指導をおこなう吉村氏が、一般人に多い「勘違い」をご紹介する。

①痩せるためにたんぱく質ばかり摂っている

たんぱく質 鳥むね肉

ここ最近、痩せるためには糖質をぬいて、たんぱく質中心の食事を摂ることがいいと思っている人が多いようです。

こう言われるようになったのは、エネルギー産生の1つに、「食事誘発性熱産生」という食事をすること自体がエネルギーを使うという考えがあるからです。
実際たんぱく質はこの食事誘発性熱産生が最も大きく、糖質、脂質に比べてエネルギー消費の割合が大きくなります。

しかし、食事以外の活動から見ると、身体を動かすエネルギー源は糖質と脂質が主体となり、身体を動かすためのエネルギーを作る回路では糖質がないとスムーズに回らなくなります。
その結果、エネルギーが上手く作れずにただ身体に溜めこむようになります。

たんぱく質ばかり摂っているとリバウンドしやすい身体に成りかねませんので注意が必要です

②痩せるために糖質をぬいている

糖質制限

上記の続きにもなりますが、身体を動かすためのエネルギー回路をTCA回路(クエン酸回路)と呼び、この回路のはじまりの物質はオキザロ酢酸といって、糖質を材料にしてできる物質です。

糖質を抜くと、最初は単純にカロリー不足になり痩せていきますが、オキザロ酢酸の材料である糖質の不足が起こり、回路がうまく回らなくなるためエネルギーの合成ができず、体重が停滞し、この状況が続けば、「運動もしていて、食事もあまり食べていないのに体重が増える」という事態が起こります。

わたしが栄養指導をおこなってきた方の中にも、以前そういう方がいらっしゃり、糖質の摂取量を少し増やしてもらっただけで体重がスッと減っていきました。

そんなときに皆さんが驚かれるのは、「食べているのに、体重が減っていっている!」ということ。
糖質でもたんぱく質でも食べ過ぎれば太ります。
ご自分の適正量を把握することが大切なのです。

③実は脂質が多く含まれているものを、たんぱく源として頻繁に食べている

脂質 ソーセージ

たんぱく質を多く含むたんぱく質食品と言われているものでも、実は脂質を豊富に含む脂質食品であることがあります。

その例として、卵、ソーセージ、ベーコン、豚バラなどがあります。

たんぱく質食品としてメジャーな卵も、たんぱく質と同じぐらいの量の脂質も入っているので、たんぱく質食品でもあり、脂質食品でもあります。

基本的には、たんぱく質を食品から摂取しようと思えば、同時に脂質も摂取していることを覚えておくといいですね。

④ナッツをいくらでも食べていいと思っている

ナッツ類 アーモンド

テレビや雑誌でよく「○○という食べ物は身体に良い」という情報を見たときに、そればかりを大量に摂取する人がいます。それが自分の好きな食品であれば、自分の中でそれを正当化してしまい、なおさら大量に食べてしまう傾向にあるようです。

その一例がナッツ類です。

ナッツ類に含まれている脂質は総コレステロール値や悪玉コレステロール値を下げるはたらきがありますが、あくまで脂質ですので、大量に摂取すれば身体の中で余った脂質は体脂肪へと変わっていきます。

身体づくりや健康のためによかれと思ってしていることが、逆の結果を生むことにもなるのです。
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

⑤グルテンを悪いものだと思っている

グルテン

昨年、男子プロテニス選手「ノバク・ジョコビッチ」選手が取り入れたことで話題になったグルテンフリー食。

実は、このグルテンフリーとは「セリアック病」という、腸から栄養が吸収できなくなる病気の方や小麦アレルギーの方向けにできた言葉であり、競技パフォーマンスの向上のためにできたものではありません。

ジョコビッチ選手が、このグルテンフリー食で試合中に棄権に追い込まれる原因不明の症状が改善され、そこから世界ランキング上位選手にも勝てるようになったという話もありますが、これはあくまでも、ジョコビッチ選手の体内でグルテンに対するアレルギー反応が起きていたことが前提にあります。

通常の方であれば、グルテンは全く問題になりません。パンや麺など小麦が使われている食品をたくさん食べている選手にも各競技の成績上位者は多くいます。

むしろ、セリアック病や小麦アレルギーを持っていない選手たちが今まで普通に食べていたパンや麺、菓子類などの食品を食べることを禁止されれば、身体のエネルギー源だけでなく、心のエネルギー源も失ってしまう可能性や、摂取栄養素がかたよる可能性が出てきてしまい、競技パフォーマンスの低下につながるリスクが高まります。

ある人にとってはいいと言われる食べ物や食べ方が、そのままだれにとってもいい、ということは決してありません。自分に合った食べ物なのか、食べ方なのかということを考えることは非常に大切です。

⑥肉食ダイエットに取り組んでいる

肉食ダイエット

糖質制限食として、肉ばかりを食べるダイエットをする人がいます。本でも話題になりましたね。
今までの項目でも書いてきましたが、肉類を摂取するとたんぱく質以外にカロリーの高い脂質の摂取も多くなります。

それと同時に、糖質を摂らないことでエネルギーの発散がうまくできなくなるため、ダイエットを始めて1,2か月経過すると体重の停滞が起こり、それ以降糖質を摂っていないのに体重が増えてくるというようなことになります。

糖質は適度に摂取すれば、太るどころかダイエットの強い味方です。

⑦糖にも種類があることを知らない

糖の種類には、単糖類や二糖類、三糖類、多糖類などがあり、よく耳にするものではこれ以上分解されない単糖類であるグルコースやフルクトース、ガラクトースなどがあります。

名前が違うということは、身体の中でのはたらきも異なってきます。

よく、ある食品に糖がどれだけ入っているのかを視覚的に表すために、ご飯茶碗1杯=砂糖○個分、ラーメン1杯=砂糖○個分など表すような写真がありますよね。

糖がどれぐらい入っているのかをパッと見てわかりやすく表されているとは思いますが、糖にもさまざまな種類があり、その種類によって身体にもたらす効果も違うため、さまざまな食品の例えを砂糖だけで表されると、誤解を生んでしまうのではないかと感じます。

糖にも種類があり、効果もそれぞれ違いますので、そういった写真を見た時に鵜呑みにしないようにしていただければと思います。

⑧すっぱいものを食べれば疲れがとれるとおもっている

クエン酸

これに関しては完全に間違いではありませんが、効果としては大きなものではありません。

すっぱい物にはクエン酸と呼ばれる栄養素が多く含まれています。食品で言うと、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系のフルーツや、梅干しなどがあります。

クエン酸の代表的な効果としてよく挙げられるのが疲労回復です。

運動で身体を動かしたときに「乳酸」という物質が身体のなかで生まれます。

この乳酸が疲労物質であると言われていた一昔前では、クエン酸が乳酸を炭酸ガスに分解して体外に放出するため、疲労回復効果があると言われていました。

その名残もあり、「クエン酸=疲労回復」という印象が強いのではないでしょうか。

しかし、最近になって乳酸が疲労の直接の原因ではないことが分かり、この説が矛盾していたことになりました。

とはいえ、クエン酸は、人が動くためのエネルギーを作る過程で重要な場所である「クエン酸(TCA)回路」と呼ばれる回路で代謝され、その結果エネルギーが生みだされます。
このエネルギーが作られることで疲労回復につながるため、間接的には疲労回復に関わる成分となっています。

「疲労回復にはクエン酸だ」という考えではなく、あくまで糖質やたんぱく質、ビタミンを主体として、+αでクエン酸というような考えがいいでしょう。

⑨コレステロールをよく理解していない

コレステロール

栄養の情報について誤解されやすいものの一つがコレステロールです。

例えば、血中のコレステロールと食事性のコレステロールが同じものであるように認識している人がまだまだ多くいるように感じます。

簡単にいうと、血液中に存在するコレステロールを血中コレステロール(善玉コレステロールや悪玉コレステロールなど)といい、主に肝臓で作られます。しかし、その一部に食品から摂取されたコレステロールも含まれます。

血中コレステロールの一部がコレステロールであり、そのコレステロールの一部が食べ物に由来するコレステロールです。
つまり、食品中のコレステロール=血中コレステロールではないということです。

ですので、コレステロール値が高いからといって食品中のコレステロールを摂らないというのは、心がけとしてはいいですが、それが絶対という訳ではありません。

ましてや、血中コレステロール値の上昇が、摂取エネルギー不足が原因で起こっているケースもあるので、スポーツ選手でコレステロール値が高い方は、なぜコレステロール値が高いのかの原因をはっきりさせることも重要です。

⑩グリコーゲンローディングの取り組み方を間違っている

グリコーゲンローディング

グリコーゲンローディングとは、長距離走などの競技において、レース本番4日前までは通常の食事を摂り、レース本番3日前から米やパン、麺類、いも類などの炭水化物を多く含む食品を積極的に摂り、体内に新鮮なグリコーゲンを大量に蓄積することができる方法です。

一昔前までは1週間前から4日前まで炭水化物の摂取量を減らし、体内のグリコーゲン量を減らし、3日前から炭水化物中心の食事に変えることで体内に新鮮なグリコーゲンを大量に蓄積する方法がとられていました。

しかし、この方法だと炭水化物制限中にコンディションを維持することが非常に難しく、結局レース当日のパフォーマンスを落とす結果になる選手が多く出てきて、今の方法に変わっていきました。

グリコーゲンローディングは、今でこそ有名になってきましたが、まだまだ古い方法で行いコンディションを崩している方もいます。

そういう方を見かけたら、是非正しいやり方を教えてあげて下さい。

最後に

この記事の冒頭にも書きましたが、目にした情報を鵜呑みにせず、積極的に調べるくせをつけましょう。
メディア(テレビやネット等)で流れている情報や、みんなが知っている情報が必ずしも正しいとは限りません。

また、研究は日々進んでいるため、いま世の中で認知されている常識とよばれるものは、明日には非常識になっている可能性もあります。
いい意味で「情報を疑うくせ」をつけましょう!