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爆発的な動きを作りだす。バスケットボール選手のためのストレングストレーニング

バスケットボール選手のためのストレングストレーニング

バスケットボールにおいて、瞬発力、俊敏性、当たりに負けない強さは、心肺機能と共に必要な要素です。ある研究※1では、バスケットボール選手は試合中、56.8%は歩き、34.1%はバスケットボールのプレーのための動きを行い、9.0%は立っているという結果が発表されており、いかに必要なタイミングで爆発的な動きを出せるかが大切になる事がわかります。

人が動くためにはニュートン力学の第三法則にある”作用・反作用の法則”が大きく関わってきます。
つまり、どれだけ強く地面を蹴り(作用)、地面からの反発力(反作用)をどれだけうまく動きに”伝える”ことができるか、ということが大切です(詳しくは以前に回答したQ&Aを読んでみてください!→https://muster.jp/qa/521/)。

爆発的な動きを作りだすためには、まず地面を蹴る力を増やす事が必要になります。そのため筋力を高める事は、バスケットボールのパフォーマンス向上のためにはとても重要です。

そこで今回はバスケットボール選手のパフォーマンス向上につなげやすいストレングストレーニングを紹介します。

ストレングストレーニングにおいて意識したい3つのフェーズ

まず、効率よくストレングストレーニングをおこなうための”3つのフェーズ”について紹介します。
筋肉の収縮には短縮性収縮、等尺性収縮、伸張性収縮という3つの収縮パターンが存在します。
これを、各筋肉の収縮ではなく運動における動きに置きかえて考えてみましょう。
例えば、ジャンプをするときに私たちは重心を地面に向かって落とし、あるポイントで落としていた重心を止め、地面を蹴って重心を空中に上げていきます(下図)

この重心を落とすフェーズを”充電(伸張)フェーズ”、重心を止めるフェーズを”静止(等尺)フェーズ”重心が上がるフェーズを”発射(短縮)フェーズ”と呼ぶことにします※2

多くの人が爆発フェーズ、つまりジャンプにおいては上に上がる動きばかりを意識しがちですが、爆発的な力を引き出すためには充電するフェーズと静止のフェーズのトレーニングを意識的に取り入れることでストレングストレーニングの効率は上がり、瞬発力にも良い影響を及ぼすと考えられます※3

という事で、パフォーマンス向上のためにこの3つのフェーズも考慮してトレーニングプログラムを紹介をしていきます。

ストレングストレーニングプログラム紹介

では、バスケットボール選手にとって有効と思われるストレングストレーニングプログラムの一例を紹介します。まずは下の表をみてください。

カタカナが並んでどんなトレーニングかイメージ全然つかないです!、という方。安心してください。
次の動画を見てどのようなトレーニングかチェックしていただければと思います。(便利な世の中ですね!)

トレーニング動画:

1.アーム・オフセット・ダンベル・ベンチプレス

2.バットウィング・ロウ

3.アーム・ダンベル・ショルダープレス

4.プルアップ

5.パラレルスクワット

6.ヒップトラスト

7.フォワードランジ

最初の1.アーム・”オフセット”・ダンベル・ベンチプレスですが、”オフセット”というのはベンチから半身、もしくは1/3ほどダンベルを持ちあげている方の身体を、あえてはみ出しておこないましょうという、意味です。

実際にやってみるとわかりますが、重りを片手に持つことで、その重さによって左右のバランスが崩れます。そこで身体をベンチからはみ出すことで、さらに不安定になるため、下半身の踏んばりと体幹部を意識しながらトレーニングをおこなわなくてはなりません。

同様に、今回は上半身の片手でのプログラムを多めに取り入れる事で、体幹部に加わる”ねじり(水平面)”の力を利用した、体幹を安定させるための要素を、懸垂においては体幹部に”縦(矢状面)”に加わる負荷のコントロールをする要素が入るので、上半身のトレーニングではありますが、当たりや切り返しの動作につながってくる内容となっています。

パラレルスクワットはジャンプやスプリント、そしてパワーポジションでのパワー発揮、ヒップスラストは臀筋群(お尻)を中心とした股関節における爆発的パワーの強化、そしてフォワードランジは片足での力発揮、特に減速の動き(切り返しやジャンプストップ、もしくはレイアップなどの片足ジャンプへの移行)に繋げやすいトレーニングです。

負荷、回数、セット数、テンポ、頻度

負荷、回数、セット数に関しては、慣れていない方は10回できるくらいの重さ(75% 1RM)で10回を3セットずつおこない、フォームを慣らすことに専念してみましょう。
慣れてきたら表にあるように、セットごとに負荷を上げてみるのも効果的です。そのときに、挙げられる回数は少なくなっても構いませんが、慣れない方は85% 1RMくらいの重さ、つまり6回ほど挙げれるくらいの重さまでにとどめておいた方が安全です(下チャート参照)。また、重いものを挙げるときには、誰かトレーニングパートナーをつけておこなうようにしましょう。安全第一です!

セット数も慣れるにしたがって、増やしても構いません。個人的はトレーニングを週2、3回するのであれば、最大で6セットにとどめるのがいいと感じています。

そしてテンポについてですが、これこそが先ほど述べた”3つのフェーズ”をトレーニングに組み込む方法となります。表の中に「4-2-1」と書いていますが、「充電」「静止」「発射」各フェーズのテンポ、つまり秒数を表しています。

スクワットの場合、下がる動きを4秒かけて行い、止めるポイントで2秒静止、そして爆発的(最初は1秒かけて、慣れたらできるだけ早く)に地面を蹴って重りを持ちあげてください。

プルアップの場合も下がる際に4秒、腕が伸びきる手前(力の持続するポイント。伸びきると力げ逃げてしまいます)で2秒静止、そして体を持ち上げるようにします。

このように3つのフェーズをしっかり意識しながらトレーニングをおこなってみましょう。充電と静止のフェーズはパフォーマンスのみに限らず、怪我予防にも必要な要素となってきます※4。慣れてきたらテンポを「3-2-1」や「2-1-1」というように変えていくのもいいです。

頻度に関しては、先ほど簡単にお話しましたが、週に2から3回を目標におこない、トレーニング日の間に休みを入れて身体が回復できる時間を作るようにしてください。
トレーニングを通して疲労した神経や筋繊維に回復の時間を与えないままではいつまでも”適応”は起こりません。かといってトレーニングをやらなすぎで刺激を与えないままでもダメなので、コンスタントに週2、3回という頻度がいいですね。

最後に

今回のトレーニングプログラム紹介では経験のない方にとっては少々難易度の高い内容のものを紹介しているので、けっして無理をせず、ケガのないようにトレーニングをするよう心がけましょう。
今回ご紹介したトレーニングはあくまで1例です。必ずしもこれをやらなくてはパフォーマンスは上がらない、という事ではないので、なにかわからないときにはMUSTERのQ&Aで質問してくださいね!

※1(Narazaki, K., et al [2009]. Physiological demands of competitive basketball. Scand. J. Med. Sci. Sport)
※2(Dietz, C and Peterson, B [2012]. Triphasic Training.)
※3(Hsieh CT and Cheng L [2016]. Kinetic Factors in Countermovement Jump for Female Volleyball Players with Different Skill Levels. International Journal of Sports Science)
※4(Sugiura Y, et al [2017]. Prevention of Hamstring Injuries in Collegiate Sprinters. The Orthopaedic Journal of Sports Medicine)