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「最近の若者は体力がない?」スポーツを取り巻く熱中症事情

「最近の子どもは体力がない。」
「最近の子どもはすぐに倒れる。」

そんなことを耳にしたことはないだろうか?

よくある「最近の若者は……」という語り口「若者論」は、ごく小さな範囲での印象を持ち出すことが多く、同じような印象を持たない人は、耳にするたびにうんざりすることだろう。

しかし、毎年の夏のニュースでスポーツ中の熱中症による死亡事故が報道されることからも、「最近の子どもは体力がない。」「最近の子どもはすぐに倒れる。」このふたつの言葉はあながち否定できないのかもしれない……。

そこで事の真実を探るために、近年の熱中症関連の研究結果をまとめた総説「日本における熱中症予防研究」を執筆された京都工芸繊維大学の芳田哲也教授に、近年の熱中症患者の数の動向についてお話を伺った。

熱中症で緊急搬送される若者は増えている

ーー現在の若者のなかで熱中症は増えているのでしょうか?

芳田 結論から言うと、増えています。

熱中症により緊急搬送された7〜17歳の若者の7月の月間合計数は、2009年の約800人から、2010年には約3倍の2,000人に増え、その後2,000〜3,000人の間で維持されています。(総務省消防庁・熱中症による救急搬送人員数に関するデータより)

これはスマートフォンやテレビゲームなど、室内で遊ぶものが増えたことで、外で遊ぶ子どもが減り、暑さに馴れる機会が減ったことが原因かと思われます。

ただし死亡する事故は減っている

ーースポーツをする若者のなかではいかがでしょうか?

芳田 スポーツをする若者の熱中症による緊急搬送の数は明らかになっていませんが、近年、5歳〜19歳の若者の熱中症による死亡数は減少の傾向があります

若者のなかで熱中症を発症する人は増えていますが、スポーツをする人のなかでは死亡事故にまで発展するケースは少なくなっており、若者の体力は二極化していると言えるのではないでしょうか。

これにはスポーツをする若者の持久力の増加の他にも、1994年に日本体育協会より「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」が発刊され、配布されたことなどが要因と考えられます。

持久力がある人の方が熱中症になりにくい

ーー「持久力」とはどういったものでしょう?

芳田 ここでの持久力とは「最大酸素摂取量」、運動中に体内に取り入れられる酸素の最大量のことです。体力テストでは「シャトルラン」の記録と関係が深いものですね。

最大酸素摂取量は実は体内の血液量とも深い関係があり、最大酸素摂取量の多い選手ほど血液量も多いことがわかっています。

血液量の多い(持久力のある)人ほど、運動によって体内で熱が作られても、その熱を逃がす機能(発汗など)が優れているので体温が上がりにくく、血液量の少ない(持久力のない)人ほど体温が上がりやすいのです。

これが室内で遊ぶ機会の多い若者と、スポーツをする子どもの熱中症に対する耐性を大きく分ける原因になります。

しかし、スポーツをしている人のなかでもシャトルランに記録の差があるように、暑さ、そして熱中症に対する耐性はバラバラです。

スポーツ指導者の方は、夏は持久力のない選手に合わせ休憩時間を設けるなど、練習計画を考えて頂きたいと思います。

次回「熱中症予防のポイントと、お盆明けの練習の注意点」

今回は若者の熱中症事情について、データをもとにお話を伺った。

次回は、引き続き芳田教授に、具体的な熱中症予防のポイントと、お盆明けの練習の注意点を伺う。