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【長期離脱を防げ】復帰に時間のかかる5つのケガ

こんにちは、理学療法士兼アスレチックトレーナーとして活動しております菅原です。

「スポーツにケガはつきもの」と言われるほど、多くのスポーツ選手がケガの問題で悩んでいると思います。

ケガを治すことも大切ですが、離脱することなく練習を続け、競技のパフォーマンスを高め続けるには、ケガを「予防」することも大切です。

そこで今回は、特に気をつけてほしい「復帰まで時間のかかる5つのケガ」と、その予防策についてお話ししていきます。

選手はもちろん、保護者の方、指導者の方も参考にされてください。

腰椎分離症

復帰まで時間のかかるケガ、ひとつ目は「腰椎分離症」です。

腰椎分離症とは、腰の骨の後ろ側(突起間椎間関節部)の並びが乱れた状態であると定義されています。(1)

男女とも14歳(中学2年ごろ)にピークがあり、男子に多く、特にスポーツをしていることによる、疲労骨折といわれています。

腰椎分離症の原因

スポーツを継続していく中で、痛いと感じるようになるまでに、無理をしたり、放置していることで、悪化を招くことがあります。

何かをきっかけに受傷することより、疲労が溜まることによるケガといわれています。

腰椎分離症には

  • 下半身や体幹の柔軟性不足
  • 体幹の安定性不足
  • 不良な動作パターン(動き方)

の3つが大きく関係します。

身体が硬いという選手だけがなるわけではなく、体幹や股関節の安定性がないことで、痛みが出ることもあるので、注意が必要です。

腰椎分離症を予防するために

前置きとして、今回紹介する予防方法は、「これだけをすれば良い」というものではありません。

それぞれのケガで、必要になる機能に集中してお伝えします。

では、腰椎分離症の予防についてです。

「体幹の安定性不足」が大きく関わると聞くと、お腹と背中を強化すればいいと思いがちですが、その前段階に「呼吸エクササイズ」をおこなうことが必要です。

なぜ「呼吸エクササイズ」が必要かというと、寝た状態から立った状態で、「腹圧(お腹の力)」を高めることができれば、腰椎の安定性を確保することができます。

さらに、手足を動かそうとするときに力を伝えるための効率が高まります。これが「体幹の安定性不足」を解決するために良い結果を与えます。

▼呼吸エクササイズ「バルーンブリージング」

膝前十字靱帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)

次に紹介するのは、「膝前十字靱帯損傷」です。

膝前十字靭帯は膝の内側にある靭帯で、膝が内側にひねりすぎないように、伸びすぎないように守る役割があります。(1)

スポーツの動きにおいては、急激なストップや方向転換、ジャンプなどの動作において、重要な役割を果たす靭帯です。

前十字靭帯損傷の原因

前十字靭帯損傷は、相手とぶつかったときにケガをしてしまう「接触型」と、それ以外で自分の動き方が悪かったときにケガをしてしまう「非接触型」のふたつのパターンに分けられます。

競技によって異なりますが、ラグビーや柔道では接触型多く、バスケットボールやサッカーなどの球技系では非接触型が多いと言われています。(3)

前十字靭帯損傷は手術を必要とする場合もあり、選手によって差はあるものの、手術をした場合は術後7~9ヶ月での復帰を目標としています。

前十字靭帯損傷についてはより詳しく解説した記事

がありますが、大きく関わるのは以下の4つです。

  • 股関節安定性・可動性不足
  • 体幹安定性不足
  • 足部アライメント異常(足の骨や関節の並び方の異常)
  • 性差(男女の差)

▼より詳しく学びたい方はこちら

前十字靭帯損傷を予防するために

前十字靭帯損傷には多くの予防プログラムが出ており、受傷するまでのメカニズムも様々な研究が発表されていますが、「何が原因で受傷してしまうか」は、まだはっきりしません。

股関節や膝関節の柔軟性など、部分的な働きの必要性については、多くの方々に知られていると思いますので、今回は、立った状態でのバランス感覚を養う内容を紹介したいと思います。

その中でも荷重位での片脚バランス能力は必要になり、かつ、チューブの抵抗を利用することで難易度を高く設定することができます。

▼動画内の「片脚スクワット・片脚スクワット+ローイング」を参考に

内側側副靱帯損傷(ないそくふくそくじんたいしょんしょう)

次は、「内側側副靱帯損傷」についてです。

膝内側側副靭帯は外反力(膝が内側方向に移動する力)に対する力や、すねを外側へひねる動きを抑えるために大きく関わっています。

内側側副靱帯損傷の原因

前十字靭帯損傷に比べて、接触による損傷が多く、ジャンプ動作や方向転動作などでも受傷することがあります。

受傷した場合、手術をしない場合は、状態によって異なりますが、6週~12週での復帰を目標にしています。

手術をした場合は、選手によって違いはありますが、術後6~9ヶ月で復帰を目標としています。しかし、状態によっては個人差があるので、注意が必要です。

内側側副靱帯損傷には以下の3つが関わります。

  • 体幹・股関節・膝関節安定性
  • 股関節・足関節の可動性不足
  • 不良な動作パターン

内側側副靱帯損傷を予防するために

膝内側側副靭帯損傷のときに注意したいことは、膝関節が内側に曲がる、もしくは外側にひねるような力の負荷になります。

この負荷を回避することがとても重要になりますので、受傷する前の予防トレーニングとしてご活用ください。

▼動画内の「ハムストリングス強化(0:49〜)・ウォールドリルラテラル(1:12〜)」を参考に

足関節靱帯損傷(そくかんせつじんたいそんしょう)

足関節には、内返しねんざと外返しねんざがあります。

内がえしねんざの場合、外側側副靭帯が足首を守っています。一方、外返しねんざの場合は、内側側副靭帯が守っています。

足首は靭帯での安定性を保っている部分が大きいため、足関節靭帯損傷は長期間の治療が必要なので軽視してはいけません。

バレーであれば、ジャンプ後の着地による受傷、ラグビーやサッカーでは、相手と接触したときに受傷するなど競技によって特徴があります。

また、成長段階の選手は、バランス能力が乏しいことで、受傷することもあります。(4)

万が一ケガをしてしまった場合は、状況によって異なりますが、6~8週で復帰を目標としています。

また、状態によっては、剥離骨折などの影響もあるため、痛みが長期化している場合は、整形外科などで受診することが望ましいです。

足関節靱帯損傷を予防するために

このケガには以下の3つが関わっています。

  • 足関節、股関節、体幹安定性欠如
  • コォーディネーション能力低下
  • 不良な動作パターン

足関節のコントロールはとても重要ですが、軽視されやすい部分でもあります。

今回は、足関節の内反ストレス(内側からの力)に抵抗する外反筋群への予防エクササイズをお伝えします。

▼動画内の「外反筋群への強化(1:46〜)・コア+外反筋群(2:00〜)」を参考に

鼡径部痛症候群(グロインペイン症候群)

最後は「鼡径部痛症候群(通称:グロインペイン症候群)」です。

グロインペイン症候群は内股の部分が痛むケガです。

鼡径周辺部の痛みは、痛みの原因を診断することが難しく、症状が慢性化、長期化して復帰に長時間要することがあるといわれています。(1)

慢性的な症状であり、キック動作があるサッカーやアメフトに多いケガです。

キックのフォームだけでなく、全身の連動性に関して関わってくるため、明確なケガのきっかけがないのが特徴です。

そのため復帰の目安は、個人差があり、決まったものはないのが現状です。

症状によっては、復帰に短期間で消失する選手もいれば、長期化する選手もいるので注意してください。

鼡径部痛症候群(グロインペイン症候群)を予防するために

グロインペイン症候群を予防するには、上半身と下半身の可動性を獲得することが優先です。

その後に、股関節伸筋群(お尻やもも裏)の強さを強化することをおこなうことで、最後に連動させることを学習させていく方法をお伝えします。

▼動画内の「肩甲骨可動性向上(2:22〜)・連動性(キックモーション)(2:40〜)」を参考に

ケガを予防して、長期離脱を避けよう

今回紹介したケガはどれも長期離脱してしまうようなケガです。

試合や練習を続けて実力を伸ばすためにも、今回の予防方法を参考にぜひ取り組んでみてください。

参考文献

1) 公益財団法人 日本体育協会,公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト③ スポーツ外傷・障害の基礎知識,㈱文光堂,P25,P101~107,P163~165,2012

2) 宗田 大,復帰をめざすスポーツ整形外科,㈱メジカルビュー社,2011

3) Donald A.Neumann,筋骨格系のキネシオロジー,医歯薬出版株式会社,2006

4) 日本臨床スポーツ医学会学術委員会,小児のスポーツと健康,㈱診断と治療社,1998