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知識の盾を身につける。最も身近な医学「スポーツ医学」とは?【後編】

こんにちは、日本スポーツ医学検定機構の代表理事、スポーツドクターとして活動しております大関です。

前回は「スポーツ医学とは何か」からスポーツ医学を学ぶことのメリットのひとつである「ケガや危険から身を守ることができる」ことについてお話ししました。

今回は残りのメリットである

  • ケガが発生した時の応急処置ができる
  • パフォーマンス(競技力)を高めるための知識が身につく

このふたつと、スポーツ医学を勉強するための方法についてお話ししましょう。

ケガが発生した時の応急処置ができる

前回でスポーツのケガは「治す」から「予防」する考え方に変わっていかなければいけないことをお話ししました。

しかし、どんなにケガの予防を心がけたとしても、突発的なケガは防ぐことができない場合もあります。ではケガが起こってしまったとき、まず何をするべきでしょうか?

そうです「応急処置」ですね。

「出血したので、水道水で洗い流して圧迫する」ことは止血の基本であり、身近なスポーツ医学の実践です。どこで教えてもらったわけでもなく、多くの人が自然と実践しています。

このような応急処置の方法を学ぶことができるのもスポーツ医学の大きな役割です。

上記のような出血の場合は知っていても、打撲や骨折などが発生した場合はいかがでしょうか?また、頻度は高くないものの、スポーツ現場で心肺停止状態が生じた場合はどうでしょう?

心肺停止状態が生じた場合は、その救命処置が明暗を分けます。

「傷病者に反応がなく、呼吸がない場合、ただちに胸骨圧迫を開始すること」が蘇生ガイドラインでは推奨されており、胸骨の下半分を1分に100〜120回の速さで、約5cm沈み込むように胸骨圧迫をおこないます。

また、周囲の人に救急車の要請とAEDを持ってきてもらうことが重要で、AEDは速やかに使用します。

このような応急処置の方法は元々知っている基本的な内容もあれば、万が一のときに知らなければ大変な結果に結びつくものもあります

スポーツ医学を学ぶことでこれらの知識を系統立てて整理することもできます。


スポーツ医学検定公式テキストP. 43より

パフォーマンス(競技力)を高めるための知識が身につく

「スポーツ医学を学ぶことでパフォーマンスを高めることにつながるの?」そう疑問に思う人もいるでしょう。

たしかにスポーツでは、身体の知識が特になくても高いレベルに到達する選手がいます。

しかし、高いレベルのパフォーマンスを長く維持するためには、どこかの時点で自分の身体を見つめ直し、トレーニングやその基礎となる身体のことを学ぶことは大切になります。なぜなら、ケガをしないことも、高いレベルを維持するためには必要だからです。

また、指導者の考え方は選手に大きな影響を与えます。

例えば、野球の投手が、大胸筋などのアウターマッスルをベンチプレスで強化すれば良い投球ができるようになるかというと、そういうものではありません。インナーマッスルをバランスよく強化することや、肩甲骨や胸郭の動きを良くすることなどが大切です。

そのためには、肩甲骨と脊柱(背骨)が筋肉でつながっていることを知っておく必要があり、広背筋などが硬くならないようストレッチする必要があります。また、股関節など下半身の動きも非常に重要です。

バスケットボールなどジャンプが多い競技では、適切な片脚スクワットの姿勢が取れることが基本です。

片脚で全身を支える時の安定感には、適切な膝や足の使い方、下半身や体幹の筋力が必須であり、安定したバランスや競技動作につながるだけでなく、ケガの予防にもつながります。

もちろん、正しい片脚スクワット姿勢はマラソンなどのランニング動作でも大切な要素です。

スポーツ医学では、ケガの予防やケガからの復帰を目的としたアスレティック・リハビリテーション(アスリハ)の項目で、これらの基本的な考え方を学ぶことができます。

パフォーマンスを高めることとケガを予防することは表裏一体であり、アスリハの考え方を持っておくことは選手にとっても指導者にとっても重要です。


(第1回スポーツ医学検定2級問題より引用・正しい片脚スクワット姿勢を選ばせる問題。正解は(1))

スポーツ医学の知識を体系的に身につける「スポーツ医学検定」

ここまでスポーツ医学とは何かといったところから、スポーツ医学の大切さを語ってきました。

ここまででスポーツ医学の大切さに気が付いてくれた方も多いのではないでしょうか。

ケガの予防から応急処置、アスリハなど幅広い分野を扱うのがスポーツ医学ですので、幅が広すぎて大切なのはわかったけど、何から手をつけたらいいかわからないという人もいるでしょう。

そんな方のためにスポーツ医学を基礎から学ぶための検定「スポーツ医学検定」を作りました。

この検定では勉強したスポーツ医学がしっかりと身についているか、間違った形で覚えてしまっていないかをテストすることができます。

2017年5月14日におこなわれた第1回スポーツ医学検定は、のべ約700名が受検し、その様子はNHKでも取り上げられました。

スポーツ医学検定は多くのスポーツ医学に関わるドクターや理学療法士、アスレティックトレーナーの支援を頂いております。

スポーツ界からは、中竹竜二さん(ラグビー)谷川真理さん(マラソン)が当機構のスーパーバイザーを務めていただいているほか、工藤公康さん(プロ野球)成田真由美さん(パラリンピック水泳)室伏広治さん(ハンマー投げ)からの応援も頂いています。

自分の身を守れる選手になるため、選手のために安全な環境を準備できる保護者・指導者になるために役立つスポーツ医学検定は、自信を持っておすすめします。

第2回は2017年12月10日(日)に開催しますので、興味を持っていただけた方は以下の各級の目安も確認頂けるとさらに自分が知識を活用する実感を持てるでしょう。

アスリートだけでなく、子供から高齢の方までがスポーツを安全により楽しめる環境をつくるため、今後もわかりやすく、いろいろな形でスポーツ医学の情報を発信したいと思います。

この検定を通して、ひとりでも多くのスポーツ関係者がスポーツ医学の知識を持ち、誰もがスポーツを安全な環境で楽しめ、競技力を伸ばしていけるよう貢献できれば幸いです。

「スポーツ医学検定」各級の目安

3級(ベーシック)

身体やスポーツのケガの最も基本的な知識が問われます。スポーツ医学に初めて触れる人は、ここから目指しましょう。(こんな方におすすめ:スポーツ選手自身、成長期の選手の保護者、部活のマネージャー)

2級(アドバンス)

身体やスポーツのケガのより詳しくより広い知識が問われます。スポーツを指導する人はここを目指しましょう。(こんな方におすすめ:スポーツ指導者、部活の顧問、スポーツ系/体育系の学生)

1級(マスター)

身体やスポーツのケガの専門的な知識が問われます。スポーツメディカルに関わる人はここを目指しましょう。(こんな方におすすめ:スポーツメディカルに関わる人・関わりたいと思っている人)

*初級(ビギナー)

ウェブで受検できるスポーツ医学Web検定(初級)のことです。3級相当の問題が出題されます。会場受検前のトライアルにどうぞ。

第2回について

2017年12月10日(日)開催の第2回はすでにホームページで申込を開始しています。10月20日正午が申込締切です。(定員になり次第申込終了)

今回も前回と同じく2級と3級の開催です。より詳細な受検情報はホームページからご確認ください。

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 https://spomed.or.jp/