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「漫画のトレーニングってどんな効果があるの?」専門家に聞いてみた

日本の文化のひとつとして世界中で愛されている「漫画」。

もちろん日本でも影響力は強く、集英社から発刊されている「週刊少年ジャンプ」でバスケ漫画の「スラムダンク」や、テニス漫画の「テニスの王子様」が連載されていた頃は実際にそれぞれの競技の人数が大きく増えるほどの力を持っている。

このように影響力の強い漫画だが、なかには「これって本当に効果あるのか?」と疑ってしまうようなトレーニングや特訓もある……。

そこで今回は、ソフトバンクホークスの選手も指導するフィジカルトレーナー片井忠氏に、漫画の特訓やトレーニングの効果について伺った。

「大リーグボール養成ギプス」


↑出典:巨人の星(1) (講談社漫画文庫) | 川崎 のぼる, 梶原 一騎 | Amazon

1966年〜1971年に週刊少年マガジンで連載された「巨人の星」に登場する「大リーグボール養成ギプス」。

上半身強化のための器具で、装着するとバネが常に腕を逆方向に引っ張り、強い筋肉を鍛えることができるというものだ。

この器具を使ったトレーニングについて片井氏の見解は、

片井 この器具を使って投球練習をしても、実際に球速が向上することは考えにくいです。

これはバネやチューブを使ったトレーニングの特徴である、動きの終わりほど負荷が高いことが関連しています。

ボールを投げる動きをイメージしてもわかるように、実際のスポーツでは動き出しの初速をつけるときに一番強い力が必要になりますよね?

このような力の使い方に対して、バネやチューブを使ったトレーニングでは動きの最初の負荷は軽く、最後になるほど強くなっていくような形です。

このように力を出す形が違うと、筋肉の使われ方も違うので、この器具では実際の投球でのメリットは得にくいでしょう。

アンクルウエイト・リストウエイト

格闘技系のスポーツ漫画で度々見る、手首や足首に巻きつける重り「アンクルウエイト・リストウエイト」。

前述の「大リーグボール養成ギプス」と異なり、市販されているものでもあるため、購入し日常的に装着していた経験のある人もいるのではないだろうか?

市販されているこのトレーニング器具、片井氏の見解は、

片井 リストウエイトやアンクルウエイトなどの装着するタイプのウエイトは、筋肉に若干の負荷をかけることができますが、特にそれで大きく成果が出るわけでもなく、若干消費カロリーが増えるという程度の効果しか期待できないのではないかと思います。

それも、キツい割に消費カロリーは多くないでしょう。

日常生活で装着する分はほとんど効果のないこの器具ですが、スポーツの練習の場面で使うとなると少し変わります。

例えば手足につけて全力疾走することで、筋肉に一時的に負荷をかけて多少なりともスピードアップさせるという効果は期待できます。

これは「オーバースピードトレーニング」という自分の能力以上のスピードを体験するトレーニングである、追い風のなかで走る「追い風走」や、緩い下り坂を全力疾走する「坂下り」などに近いものと言えます。ただし、あくまで刺激を与える程度なので過信は禁物です。

また、アンクルウエイトなら寝た状態で足を上げ下げする「レッグレイズ」などのトレーニングで安定した負荷として使うことができます。こちらも自分の筋力に対して、負荷が軽くなるたび増やさないといけないという問題点はありますが、こちらの方がわかりやすい効果が出るでしょう。

薪割り

こちらも格闘技系のスポーツ漫画で見かけることのある「薪割り」。

薪割りができる環境にある人が少ないため、経験したことのある人は少ないかもしれないが、似たようなトレーニングには、ハンマーでの「タイヤ叩き」などがある。

スポーツ選手のトレーニング動画などでも出てくるこのトレーニングに対して、片井氏の見解は、

片井 薪割りやタイヤ叩きはスポーツのトレーニングとして非常に有効なものだと考えています。

この重いものを振り上げて、重心を前に移動しながら振り下ろすという動作は、野球のピッチングや、バレーボールのスパイク、テニスのサーブなどの動きに似ていますよね?

私は実際にこういったスポーツの選手にもタイヤ叩きを取り入れることがあります。

オーバーヘッドから、つまり上から下に爆発的に力を発揮する「パワートレーニング」として、通常のウエイトトレーニングで筋力を高めた上で、スピードのある動きのなかで筋力を使えるようにする狙いがあるのです。

このように考えると薪割り(身近に考えるならタイヤ叩き)は、ボールやものを投げたり、腕を素早く振り下ろす動きがある選手には有効なトレーニングと言えるでしょう。

専門家の目線から漫画を見るのも面白い!

スポーツの漫画に登場する数々の特訓やトレーニング。

漫画での解説や考え方とは違うものの、別の効果を期待できたり、実際に効果があるのは非常に興味深い。

多くの人が気になる「そのトレーニング、本当に効果があるの?」問題。

次回は、漫画発ではなく、実際の練習でも取り入れられることのある「タイヤ引き」や、「綱登り」「手押し車」「指立て伏せ」などのトレーニングについて解説する!

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